「影の地」での新たな冒険がついに始まる!

発売直前! ミケラを巡る新たな冒険が待つ『ELDEN RING』DLC『SHADOW OF THE ERDTREE』レビュー

2024年06月19日 15時00分更新

文● 松野将太 編集●ミヤザキ/ASCII

完全新規のマップは「地図から受ける印象よりずっと広い」

 『SHADOW OF THE ERDTREE』の舞台となるのは、本編とは独立した完全新規のマップ「影の地」だ。狭間の地の女王マリカが神となり、最初に黄金樹が生まれたとされているこの地は、何らかの理由により黄金樹の「影」に隠されたことで、容易には訪れることが難しい場所となっている。

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広大なDLCエリアには、強力な敵が多数待ち受ける。トレーラーなどに登場している「焼炉のゴーレム」にもすぐに会えるだろう

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過去にマリカが治めていた地でもあり、各地にはその痕跡が残されている

 プレイヤーがこの地を訪れるのは、マリカの子であるデミゴッドの一人「聖樹のミケラ」の足跡を追ってのことだ。本編プレイ済みのプレイヤーにとっては周知の事実だが、ほかのデミゴッドたちと違いミケラの詳細は謎に包まれており、本編のメインストーリーに関わらない部分で辛うじてその情報が仄めかされるばかりだった。

 ミケラの目的は何なのか、過去に影の地では一体何が起こっていたのか――そういった謎がミケラを追う過程で少しずつ明かされていく、というのが『SHADOW OF THE ERDTREE』の概要と言える。

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DLCエリアはマップから受ける印象よりもずっと広く感じられる。各地の高低差が非常に大きいことも影響しているだろう

 さて、プレイにあたって「実際のゲーム部分のボリュームはどれぐらいなのか?」が気になっている人は多いだろう。あくまで筆者の体感だが、「本編マップのおおむね2~3エリアぶんぐらいの攻略に相当する」というのがプレイして受けた印象だ。

 すみずみまで探索しようと思えば、とてもじゃないが24時間では足りないぐらいのコンテンツが用意されていることは間違いない。

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各地にはミケラが残した「ミケラの十字」と呼ばれる光の柱のようなオブジェクトがある(画像左奥)。これを探していくのも面白いだろう

 とりあえず言及しておきたいのは、「平面の地図から受ける印象と実際に感じる広さが全然異なる」ということだ。マップ情報は本編同様、各地の地図を集めることで開放されていくのだが、全景が見えてくる頃には「なるほど、まあ大きくはないけどDLCだしこんなもんだよね」と思うプレイヤーもいるかもしれない。

 しかし今回のマップは、地図上ではわかりにくいほど高低差が大きく設定されていることもあって、実際に足を運ぶと大きく予想を裏切られるようなシーンに遭遇することも珍しくない。あまりにも地図から受ける印象が異なるので「これもう1枚マップ用意しても良かったんじゃない?」と思った場面もあるほどだ。

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マップが本編ほど広くない分、ダンジョンなどの密度は高め

 また、おそらく本編エリアよりもダンジョンやロケーションなどの設置間隔が狭めに調整されており、普通に進めていくだけでもかなりの密度感の高さが感じられた。ひと通り影の地を見て回ったあとに、「DLCなのにコンテンツ量が凄い」という満足感や、「もっと冒険したい」という余韻がほどよく感じられる、絶妙なボリューム感であるように思う。

追加アイテム・武器・装備量も膨大

 当然だが冒険の過程では、追加アイテム・武器・装備・魔術および祈祷なども入手できる。探索で新アイテムを見つけたり、ボスやNPCを倒して新たな装備などを手に入れられるのは本編と同様だが、新エリアでも「本編とほとんど変わらない」ペースで新武器や装備、アイテムが追加されていくので、最終的な入手アイテム数は膨大になる。

 この「本編とほとんど変わらない」ペースであることは大きなポイントで、出し惜しみしている感覚が一切なく、あまりに次々と新たなアイテムが追加されていくので、特に序盤は驚く人も多いかもしれない。

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本編と同じ感覚で新たな武器やアイテムが次々に入手できるので、最終的な新規アイテム数は膨大な数になる

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「角の戦士の曲剣」の専用戦技「角降ろし」では、地面から大量の角が突き出て敵を攻撃する。新たな戦技の数も豊富に用意されている

 すでに情報は出ているが、特に武器種や戦技の増加は戦闘スタイルに関わるため、大きなポイントだ。採用武器によっては劇的に攻略方法が変わるので、いろいろ使ってみるといいだろう。幸い、DLCエリアでも強化素材はかなり潤沢に手に入るので、攻略時も気軽に武器を交換していくことができた。

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「逆手剣」の戦技「死角の一撃」。猛スピードで敵の側面から強く怯ませる攻撃を放つ。手数の多さもあり、便利な武器のひとつ

 例えば序盤で手に入る「逆手剣」は、片手持ちでは軽やかに扱えるタイプの曲剣だが、両手持ちを選択することで2刀流モードで扱える新たな武器種だ。2刀流時のモーションはかなり素早く、連続で敵を切りつけられるため、特に小型でひるみやすい相手には無類の強さを誇る。

 また、新たな戦技「死角の一撃」が標準で付属しており、敵の攻撃やガードをかいくぐって怯ませる力の強い一撃を見舞うことも可能。過去作「ダークソウル3」ではお馴染みだった戦技なので、懐かしいと思う人もいるだろう。バランスが良く強化時の派生も豊富なので、便利に使っていける武器だ。

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「火花の調香瓶」は、調香師のように燃える香粉で敵を範囲攻撃できる

 同じく序盤で入手できる「火花の調香瓶」もユニークな新武器と言える。本編でも厄介な敵だった調香師のように香粉を散布して範囲を焼き払う武器で、重量が軽いのでサブ武器としてひとつ持っておくと都合がいい。両手持ち時には攻撃範囲が広がったりもするので、覚えておくといいだろう。

 ほかにも強攻撃や戦技で投てきが可能な「流紋」系武器種や「散弾クロスボウ」など、持っておくと戦法の幅が広がりそうな武器が多く追加されているのも、今回のDLCの大きな特徴だ。

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新たな輝石魔法「魔術の三輝剣」。時間差で3つの輝剣を飛ばす

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新戦技「竜傷斬り」を持つ「竜狩りの大刀」。竜に対する特攻を持つなどユニークな武器

 もちろん、あわせて防具や戦技や魔術・祈祷、遺灰なども大量に実装されている。使ってみるとかなり強力なものも多いので、詳細は実際に入手して確かめてほしい。

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