「irumoショック」それほど大きくなかった?
MVNO業界にとって、ahamoショックに続いて逆風と言えそうなのがNTTドコモによる低容量プラン「irumo」の開始だろう。
NTTドコモはNTTコミュニケーションズを完全子会社化するなか、MVNOサービスを提供していたOCNを取り込んだ。その後、2023年にはOCNの料金プランを一部、ベースとした新料金プラン「irumo」を開始している。
irumoの開始で最も影響を受けたのではないか、と見られていたのがフリービットが手がける「TONEモバイル」だ。
TONEモバイルは、NTTドコモが低容量プランが手薄だった2021年に、「エコノミーMVNO」として、ドコモショップで取り扱われるようになっていた。
NTTドコモとしては当時、「ギガホ」「ギガライト」をメインにしつつ、小容量はエコノミーMVNO、シンプルでオンラインに特化したプランとして「ahamo」をラインナップしていた。
TONEモバイルとしては、全国のドコモショップで取り扱ってくれるということで、一気にシェアを拡大できると目論んでいたが、irumoの登場により、存在感がなくなったように“メディアからは”見えていた。
しかし、TONEモバイル関係者によれば「irumoが始まっても、あまり影響は受けていない。TONEモバイルは指名買いで、お客さんがドコモショップに訪れている」というのだ。
実際のところ、NTTドコモがirumoを扱い始めたが「ショップ店員からすると、irumoなどは光回線やクレジットカードなどを組みあわせて安くなるプランであり、客に対しての説明が面倒で手離れが悪い。その点、TONEモバイルはそうした説明が不要で安いということで、ショップ店員さんから喜ばれている」というのだ。
ここ最近、キャリアショップはショッピングセンターに出店を出して顧客の勧誘をしている。買い物途中の客を引き留め、新規契約させるには、とにかく「説明不要で手離れのいい商材」が求められているのだ。そこにTONEモバイルはマッチするというのだ。

この連載の記事
-
第262回
トピックス
ソフトバンクとKDDIが“空の救助網” 雪山遭難、ドローンで発見 -
第261回
トピックス
スマホ5G“ミリ波”肩透かし 6Gは“センチメートル波”が鍵に -
第260回
トピックス
ドコモ苦戦 携帯3社、“値上げ”で明暗 -
第259回
トピックス
KDDI、通信品質で再び首位に ドコモとソフトバンクが不満「あの評価基準はおかしい」 -
第258回
トピックス
アドビ、AIで若年層開拓 “映える”画像を作りやすく -
第257回
トピックス
ドコモ経由の“NISAデビュー”増える マネックスか、SBIか、悩ましい選択に -
第256回
トピックス
KDDIドローン事業、9年目で軌道に乗る兆し 無人AIポート運用に成功 -
第255回
トピックス
楽天モバイル“値上げしない宣言”に他社が苦言 「自分たちでネットワークを構築しないくせに」 -
第254回
トピックス
クアルコム「Snapdragon」名称迷走 PC市場での認知施策が課題に -
第253回
iPhone
アップル新型「iPhone」全部比べた オススメはこれ -
第252回
トピックス
アップル「iPhone 17」eSIM専用に? 注目集める - この連載の一覧へ











