◆ハイブリッドの走行モードも豊富に用意
フロントに置かれたパワーユニットは、最高出力330PSの2.9L V6 DOHC 24バルブ ツインターボエンジンに136PSの交流モーターという組み合わせ。エンジンそのものはカバーされており、姿を見ることはできません。すごみを感じさせるのはコクピットとエンジンの間に貼られた断熱材の量! 「なんだコレ?」と驚く部員たち。システム最高出力462PSという数字に、ゆみちぃ部長は恐れをなします。ちなみにトルクベクタリングの四輪駆動なのですが、そのトルク配分は後輪寄りにセッティングされているようです。
パナメーラの走行モードはE-Power、Hybrid、Sport、Sport PlusとIndividualの5つ。
E-Powerは、その名の通り17.9kWhのリチウムイオンバッテリーがカラッポになる最長56kmまでモーターを主に走行するモード。これが少しクセモノで、車両の電源を入れた時は、E-Powerモードで動き出します。自宅で充電でき、通勤や近距離など日常的にクルマを使われる方には良いのですが、充電環境がなかったりすると「おぉ! 静かなクルマだな」と喜んでいるうちに電池がなくなってしまいます。
ちなみにアクセルペダルに対する踏力が一定の値を超えるか、バッテリーの充電レベルが最低値を下回ると、パナメーラは「Hybrid」モードに切り替わります。
Hybridモードの中には「Hybrid Auto」「E-Hold」「E-Charge」の3モードがあります。E-Holdは現在のバッテリー残量を減らさずキープするモード。バッテリーを残しておいて、夜中の住宅街を走るときに電動で走るなんてことができます。
E-Chargeはエンジンを発電機としても使うモード。信号待ちの状態でもエンジンが動き充電し続けます。充電中は当然燃費が悪くなり、都内でリッター4kmくらいに。ガソリン消費もですが、気になるのがジェネレーターの音とステアリングに伝わる微振動。充電量などによりその程度は異なるのですが、空っぽに近いと結構音がします。ちなみに充電は8割ほどで止まり、その時モーターだけの走行は40kmと表示されます。
通常はHybrid Autoモードで走行。ポルシェ・ジャパンのウェブサイトによると「地形データとナビゲーションを用いてエネルギーを節約」というから驚きます。ちなみにハイブリッド走行をし続けると、当然電池は空っぽになり、ジェネレーターが常時動く状況になります。ただ、車両停止時はエンジンもストップするようで、E-Chargeほど気にはなりません。
充電は200Vのみで、いわゆる急速充電は非対応。「急速充電できないの?」と驚かれると思いますが、欧州車のPHEVのほとんどはこの仕様で、かつ先にモーターの電力を使おうとします。よって自宅で充電できない人は、このクルマを購入した場合、ハイブリッドらしいパワーは得られても、その恩恵である燃費の良さは得づらい状況になります。逆に充電できる環境なら、このクルマはとてもよい選択肢となるわけです。
Sportにするとエンジン主体で走行します。排気音も図太く、サスも硬めとなりテンションが上がります。Sports Plusになれば、車高も下がりサスも硬め、変速タイミングもさらに上まで回すようになるようです。そしてステアリングホイールに設けられているポルシェ・スポーツレスポンスボタンを押せば20秒間パワー全開! まぁ、一般道で使うことはないでしょうが、気分はアガりますね。

この連載の記事
-
第588回
自動車
都市型SUVの新定番! マツダ「CX-30」がもたらす新感覚ドライブ -
第587回
自動車
死角ナシの万能SUV! マイチェン版トヨタ「カローラ クロス」に乗ってわかった“しっとり快適”の正体 -
第586回
自動車
今しか選べない“熱き”ガソリンSUV!マセラティ「グレカーレ」の真髄を体感する -
第585回
自動車
カッコいいワゴンは健在! アウディの新型「A5 Avant」は流麗なデザインと広々ラゲッジでアウディらしさを継承する -
第584回
自動車
「VEZEL e:HEV RS」は後出しズルい! と言いたくなるほどイイクルマだった -
第583回
自動車
採点方式が激変の2025年「日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終決戦! 10ベストカー試乗会レポ -
第582回
自動車
BMW「X2 M35i」はカジュアルさとBMWらしさが高次元にバランスした日本にピッタリなSUV -
第581回
自動車
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」はオトナになったボーイズたちに勧めたいぜいたくな1台 -
第580回
自動車
プジョーの新SUV「3008」はデザインでの購入者が大半! リゾートホテルのような内装とクーペフォルムが牽引する -
第579回
自動車
新型「プレリュード」は今のHondaを凝縮したハイブリッドスポーツの前奏曲だ! -
第578回
自動車
クラウン・エステートで車中泊体験! 「おもてなし」シートで過ごすぜいたくなドライブ体験 - この連載の一覧へ






















