◆電気自動車の充電器設置にいくらかかる?
電気自動車に関わる問題のひとつが、充電にまつわる部分です。クルマの充電は、車庫に入れている時に充電する「基礎充電」と、移動中にPAやSAなど長距離移動中の経路で行なう急速充電の「経路充電」の2つに分けられます。
まず、サクラが必要とする充電時間について。カタログによると基礎充電で約8時間、急速充電で40分でほぼ満充電になるとのこと。「思ったより早いんですね」と寺坂さん。「これで何キロぐらい走行できるのですか?」というと、カタログ上では180kmとのこと。実際には140㎞程度かと思います。これを念頭にいれて、話を進めましょう。
自宅に車庫がある場合は、基礎充電のため電気工事をした方が望ましいです。「その工事は、どなたに頼めばよいのですか?」と寺坂さん。これについては「ご自身で近くの電気店で工事を依頼するか、ディーラーが提携している電気工事業者をご紹介いたします」とのこと。ちなみに工事金額は、家の設備にもよるそうですが、「10万4500円」からだそうです。
経路充電をするには充電カードを契約する必要があります。充電カードには大きくわけて、自動車メーカーを問わない「e-Mobility Powerカード(事業主体イーモビリティパワー)」「おでかけCard(事業主体JTB)」と、各自動車メーカーが発行するモノの2種類があります。
「e-Mobility Powerカード」の場合、発行手数料が1980円。これに月額4180円、急速充電が27.5円/分、普通充電が3.85円/分になります。一般的に急速充電は1回30分ですので825円。出先の宿泊先で通常充電を8時間(フル充電)した場合、1848円となります。
次に日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)という充電カードの場合。加入には新車・中古車問わず、日産車を所有していることが条件となります。料金体系は4つで、従量課金のシンプル(月1100円)と、無料利用分を含めるプレミアム100(月4400円)、プレミアム200(月6600円)、プレミアム400(月1万1000円)があります。
プレミアム100の場合、月4400円で急速充電が44円/分(1320円/30分)、普通充電が3.3円/分(1584円/8時間)。ですが急速充電100分、普通充電600分が無料な上に、余ったら翌月に繰り越しできます。なので、日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3の方が、e-Mobility Powerカードに比べてオトクという印象。
表を見ながら寺坂さんが「スマホの料金プランみたいですね」とボヤくように、料金プランはちょっと複雑。ですので、契約前に念のため日産自動車の専用サイトにあるシミュレーションを使って、自分にあったプランを探した方がよいでしょう。もちろん料金プランは途中で変更できます(料金シミュレーションサイト)。
支払い方法ですが、e-Mobility Powerカードはクレジットカード払いのほか法人向けに請求書払いができるのに対し、日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3はクレジットカード払いのみ。毎月クレジットカードが上限に張り付いている筆者的には、銀行引き落としとか請求書払いにしてもらった方が助かるんだけどなぁと思ったり。そもそもの生活態度を改めろって話ですが……。
「自宅に車庫があれば、絶対に電気自動車にしたいです」と、サクラを前にして気持ちを固めた寺坂さん。「ガソリン車と違って、電気自動車は充電まわりのことも決めないといけなくて、初めての人にはハードルが高いと思っていました。とりあえず、わからなかったらディーラーさんにお任せすれば、ほぼすべて解決するんですね」と胸をなでおろした様子。
「あと費用感がわかったのは大きな収穫ですね。驚いたのは、補助金の話です。ホント、最初から補助金の分を引いてくれれば、ローン会社に払うお金が減るし、購入のハードルも低くなるのに」と、制度の面で不満を抱かれた様子。さらに「補助金が自治体次第だということがよくわかりました。引っ越しをする時はよく調べないとですね」
寺坂さん的には、電気自動車所有の費用感がわかって一安心のよう。「車両のローンに毎月の充電カード代、そして自動車保険料に月極の駐車場代。さらに高速道路利用料にコインパーキング代……。うっ、頭が……」と現実を知った模様。
「毎月の支払を減らすには、車両を一括払いで購入するしかないのですね。貯金しないと!」と、サクラのカタログを見ながら、アイドルは倹約生活することを心に誓ったのでした。
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