第34回 チームの共同作業がはかどる! Dropbox Businessを使いこなそう

将来的にはPC作業やファイル検索の起点になりそうなツールを、さっそく使ってみよう!

クラウドにあるファイルや情報を一括検索! 期待大の新ツール「Dropbox Dash」の基本

文●柳谷智宣 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

提供: Dropbox

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 クラウドサービスの業務利用が増えたこともあって、近年では仕事に必要な情報やファイルがPCのローカルフォルダ以外にも散在するようになった。検索するにしても、どのクラウドサービスに情報があるのかがわからないと、「あの情報はどこだったかな……」と無駄に探し回って時間を取られることになってしまう。“仕事のための仕事”が増えるのは、うれしいことではない。

 そんなときに便利なのが、Dropboxが先日発表したユニバーサル検索ツール「Dropbox Dash」だ。

 この新ツールは、Dropboxに保存されたファイルだけでなく、Gmail/GoogleカレンダーやMicrosoft Outlookのメール/カレンダー、Slackのメッセージ、Notionのページ、Trelloのカード、SalesforceやHubSpotのレコード、さらにはローカルファイルや他のクラウドストレージ(Google DriveやOneDriveなど)にあるファイルも同時に検索し、ヒットしたものを直接開くことができる。

 まだベータ版のツールであり、今後の機能強化や正式リリース時の提供方法(無償か有償かも含め)などは不明だが、現時点でも使い心地は良く、かなり期待できる。今回は、このDropbox Dashの基本的な使い方を紹介しよう。

 Dropbox Dashは現在、英語版ツールがベータ版としてリリースされている。日本のユーザーであっても、Webサイトからウェイトリストに登録し、承認メールが届けば利用が可能になる。Dropboxから届く「RE: Dropbox Dash private beta ←Dash unlocked!」という件名のメールから、ダウンロードサイトにアクセスできる。

Dropbox Dashのサイト(https://www.dropbox.com/ja/dash)からベータプログラムのウェイトリストに登録する

アンロックのメールが来たらサイトにアクセス、ダウンロードだ

 インストールファイルをダウンロード、実行したら、自分のDropboxアカウントでログインする。ブラウザ(Chrome、Edge)拡張機能へのリンクも表示されるので、インストールして有効にしておこう。

インストールファイルを実行すると、Dropboxアカウントでのログインが求められる

ブラウザ拡張を追加するため「Add extention」をクリック

ブラウザに拡張機能をインストールし、有効にする(Chromeの場合の画面)

 Windowsならば「Ctrl+E」キー、Macならば「Command+E」キーを押すと、Dropbox Dashの検索ウィンドウがポップアップする(キー割り当ては変更も可能)。Escキーを押したり、他の場所をクリックすると即画面が閉じる。挙動はとても素早く、サクサク使えるのが便利だ。

 これですぐに検索が始められるのだが、まずは使いやすいように設定をしておこう。

 右上の歯車アイコンから設定画面を開き、「App」リンクをクリックすると、ブラウザで「お気に入りのアプリとリンク」画面が開く。この画面で、検索対象にしたいサービスの「+」をクリックする。各サービスのアカウントでログインし、情報へのアクセスを許可すれば、リンクは完了だ。「リンクしました」タブをクリックすれば、リンクできたサービス、つまり検索対象のサービスを確認できる。

 筆者は今回、Dropbox、Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブ、Notionなどをリンクさせてみた。

「Ctrl+E」を押してDropbox Dashを開いたら歯車アイコンをクリック

「App」をクリックする

ブラウザで設定画面が開く。接続したい(検索対象にしたい)クラウドサービスを選択する

各サービスでログインに成功するとリンクできる

 クラウドサービスだけでなく、ローカルファイルも検索対象にする場合は、「Search local files」にチェックを入れる。初期設定では「デスクトップ」「ドキュメント」「ダウンロード」といったフォルダのみが対象になっているので、追加したい場合は「Add new folder」をクリックしてフォルダを指定しよう。

Dropbox Dashの設定画面で「General」タブを開き、「Search local files」にチェックを入れる

「Add new folder」をクリックして、検索対象としたいフォルダを追加する

 これで検索の準備が整った。「Ctrl+E」キーを押してDropbox Dashを開き、検索したい文字列を入力してみよう。

 たとえば筆者が「Dropbox」で検索すると、Googleカレンダーに登録してある予定や受信メール、アプリなどが一覧表示された。メールなど一部の検索対象は、タイトルだけでなく本文内容まで検索してくれるようだ。

 検索結果から、カーソル↑↓キーで項目を選んでEnterキーを押す(またはマウスでクリックする)と、その内容が直接開く。動作がとても軽いので、普段使いも問題なくできそうだ。今のところインタフェースは英語だけだが、日本語での検索もふつうにできる。

筆者が「Dropbox」で検索してみると、予定やアプリ、サイト、メールなどがヒットした

「ChatGPT」で検索すると、GoogleスライドやNoitonのエントリーなどもヒット

 なお、検索実行時にあらかじめ検索対象(たとえば「カレンダーのみ」「ファイルのみ」など)を絞り込むようなこともできる。また、ブラウザに追加した拡張機能では、情報整理に役立つ「Stacks」と「Start Page」といった機能も提供される。これらの機能についてはまた回を改めてご紹介したい。

* * *

 いろいろなツールやクラウドサービスを切り替えることなく、サクッと一括検索ができるDropbox Dashはとても便利だ。“仕事のための仕事”を減らして、本当に大切な仕事に集中できる環境を作ろう、というDropboxの考えがよくわかる。

 発表時のアナウンスによると、Dropbox DashはAI技術を活用して常に学習を続け、「使えば使うほど洗練される」ようになるという。また「ユーザー情報やユーザーの会社の情報をもとに、生成AIを使って質問に答えたり、関連コンテンツを表示することができるようになる」(プレスリリースより)という将来像も掲げている。

 現在はまだベータ版であり、一部サービスにうまくリンクできないなど、動作が不安定なところもあった。また、今後どのような機能が追加されるのかも具体的には明らかになっていない。動作を安定させ、リンクできる(検索対象にできる)サービスも増やして、なるべく早く正式リリースしてほしいところだ。そうすれば、PCで行うすべての作業の“起点”となるナビゲーションツールとなるだろう。

 とは言え、筆者のように多数のクラウドサービスを業務に使っているユーザーにとっては、現時点でもかなり便利なツールである。興味を持った読者は、ベータ版のウェイトリストに申し込むことをお勧めする。

(提供:Dropbox)

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