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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第351回

2.5L直列3気筒のトライアンフ「ロケット3」は超弩級の加速が魅力のオンリーワン!

2023年07月16日 12時00分更新

文● 折原弘之 写真●折原弘之

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ROCKET 3

トライアンフの「ROCKET 3」に
新モデルが追加! ド迫力の加速を体験した

 大型バイクの代名詞といえば、ほとんどの人がハーレーダビットソンを思い浮かべる。だが世の中にはそれを、はるかに凌駕するオートバイも存在する。その1つがトライアンフ「ROCKET 3」だ。そのROCKET 3のニューモデルが発表された。従来のROCKET 3 Rに加え、新たに「ROCKET 3 GT CHROME EDITION」と「ROCKET 3 R CHROME EDITION」が発売されることとなった。価格はGTが302万5000円で、Rが295万5000円。

 この新設計の2モデルのROCKET 3は、前モデルから40kgの軽量化に成功し車重は318kgになった。この約10%の軽量化はハンドリング性能や、制動性、加速に大きく貢献している。

ROCKET 3

2500ccエンジンのツアラーは迫力満点だ

ROCKET 3
ROCKET 3

 試乗にあたり、このバイクの基本性能をおさらいしておこう。最大の特徴である2500ccのエンジンはDOHC水冷インライン(直列型)3気筒、最大出力167ps、最大トルクは221Nm(22.5kg/m)と化け物じみた数字だ。その強大なパワーをアルミフレームで支えるのだが、どちらかと言えばエンジン自体をフレームとしたモノコック構造と言えるだろう。

 フロントフォークも、47mmの倒立と極太である。強力なパワーを伝えるには、チェーンでは難しかったようでシャフトドライブが採用されている。スイングアームは、整備性と強度を考え片持ちとなっている。

ROCKET 3

最大の特徴であるエンジンとマッチョ感を演出するデュアルヘッドライト

ROCKET 3
ROCKET 3

大型バイクらしくマッチョなデザイン
デザインに負けないエンジンパワー

 インライン3のエンジンを、縦置きに配置しエキゾーストは3本独立させている。その3本のエキゾーストパイプが、バイク右側に並ぶデザインは、スタイリング的にもROCKET 3を印象付ける最大の特徴と言えるだろう。そして大型のデュアルヘッドライトは、大柄なバイクをさらにマッチョな印象にしている。このスタイリングは、大型ツアラー好きにはたまらない演出と言える。

ROCKET 3
ROCKET 3

その加速感はまさに唯一無二だ

 2.5リッターのエンジンに火を入れると、当然の事ながら圧倒的に野太い重低音が響く。そのエンジン音は、ハイパワーと言うより極太のトルクを想像させる。実際に乗ってみても想像通り。パワーで引っ張ると言うより、トルクで押し出される感じで、レッドゾーンまで息のきれない加速が続く。その加速がすさまじく、ステップがかなり前方にあるため、加速でステップから足が浮いてくるほどだ。

 スーパースポーツでも加速感は味わえるが、風圧でステップから足が浮く感覚はツアラーならではのものだろう。どの速度域からでも、すべてのギアで加速できるのではないかと思えるほどのトルクを味わったのは初めての経験だ。

ROCKET 3

強大なパワーを制御するブレーキやサスペンションも充実している

ROCKET 3

 しかしながら、いくらエンジンがパワフルでも受け止める剛性がなければ走れない。その点でもROCKET 3は、十分に楽しませてくれる剛性を確保している。エンジン自体が大きく重いので、低重心で安定感がある。低重心の恩恵なのか、ハンドリングも300kgを超えるバイクとは思えないほど軽快だ。

 ブレンボ製の4ピストンモノブロックキャリパーは、車重の重さを感じさせないほどのストッピングパワーを発揮してくれる。唯一の注意点は、駐車時に前下がりのシチュエーションを避けることくらいだろうか。

ROCKET 3

 加速や運動性能で言えば、スーパースポーツの方が勝っている。ロングツーリングに出るなら、カウリングのついたツアラーが楽だろう。それでも、これほどの塊が信じられない程の加速で運んでくれる感覚は、このバイクでしか得られない。過去にたくさんのバイクに乗ってきたが、これほど刺激的なバイクは存在しなかったと思う。トライアンフのROCKET 3は唯一無二の存在と言える。

■関連サイト

■筆者紹介───折原弘之

 1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。

■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー

■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン

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