2023年5月24日、NVIDIAはAda Lovelace世代の新GPU「GeForce RTX 4060 Ti(8GB)」の販売を解禁する。なお、同時に発表されたRTX 4060 Ti(16GB)やRTX 4060といった姉妹モデルの販売開始は7月とアナウンスされている(関連記事:https://ascii.jp/elem/000/004/137/4137166/)。
注:本稿では8GB版のRTX 4060 Tiは「RTX 4060 Ti(8GB)」、16GB版は「RTX 4060 Ti(16GB)」と記述し、単に「RTX 4060 Ti」とした場合は8GB/16GBの両方を含むこととする。
価格はすでにNVIDIA公式(https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/40-series/rtx-4060-4060ti/)にもある通り、RTX 4060 Ti 8GB(8GB)は税込み6万9800円〜。国内で流通するAICパートナー製のカードの価格は本稿執筆時点で入手できていないが、ボリュームゾーンは7万円台中盤〜8万円台後半になると推測される。
かつて60番台のGeForceといえば、お手頃価格の製品というイメージが強かったが、RTX 20シリーズよりポジションを1つ上げ、メインストリーム的な立ち位置になってきた。秋葉原における各60番台GeForceの最安価格を振り返ると、RTX 2060で4万2500円、RTX 3060で5万6900円、そして7月発売予定のRTX 4060は5万2800円(予価)と設定されている。こうして比較すると、歴代60番台の価格帯はそれほど動いていない印象を受ける(メモリーバス幅の狭さ的なトピックはひとまず無視する)。
しかし、今回解禁となるRTX 4060 Ti(8GB)の予想価格は最安7万円。Ada Lovelace世代初となる60番台のメインストリーム帯製品だが、歴代60番台よりも頭一つ抜けて割高な印象を与えてしまっている(RTX 3060 Tiの初値で最安のものは5万4780円)。この強気な値付けの背景には、昨今の我が国を取り囲む経済情勢のほか、DLSS Frame Generation(DLSS FG)やAV1ハードウェアエンコードへの対応といった付加価値の高さ、そしてAI関連でGeForceが引く手あまた、といった要因が考えられる。
NVIDIAはRTX 4060 TiやRTX 4060はフルHDゲーマーにDLSS FGをもたらし、プレイ環境を大きく進化させる可能性を備えていると謳う。今回筆者はRTX 4060 Ti(8GB)のFounders Edition(以下、FE)の検証をする機会に恵まれた。フルHDゲーミングをどの程度変えてくれるのか、2回に渡り検証していきたい。
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