最新パーツ性能チェック 第381回
購入前に押さえておきたいRTX 40シリーズの新機能も解説
GeForce RTX 4090基本ベンチ&解説編!Fire Strike UltraはRTX 3090から93%アップ!?
2022年10月11日 22時00分更新
NVIDIAの新アーキテクチャー“Ada Lovelace”を使用した新GeForceの時代が、10月12日22時より始まろうとしている。今回発売される「GeForce RTX 4090」(以下、RTX 4090)は、Ada Lovelace世代のフラッグシップであり、ゲーマーとクリエイターの双方をターゲットにしたエンスージアスト向けモデルだ。
本邦での予価はNVIDIA公式から29万8000円“より”と発表済みだが、本稿執筆時点(10月10日)では具体的な価格情報は入ってきていない。高額な製品にも関わらず秋葉原では深夜販売も予定されており、超ハイパワーGPUへの関心の高さが窺える。
GeForce RTX 40シリーズ(以下、RTX 40シリーズ)は、TSMCの5nm(NVIDIA的には4N)プロセスで製造されているほか、設計的にはCUDAコアよりもRTコアやTensorコアの強化がポイントになる。11日22時のAICパートナー製カードの日本発売に先立ち、「GeForce RTX 4090 Founders Edition」(以下、RTX 4090 FE)のパフォーマンスレビューが解禁されたが、本稿ではまず、RTX 40シリーズの技術的な見どころと、基本的パフォーマンスまでを紹介したい。
GeForce RTX 3090 Ti(以下、RTX 3090 Ti)をも超えるCUDAコアを備えたRTX 4090は、GPUパワーに飢えているエンスージアストに内なる平穏を与えてくれるのだろうか?

今回レビュー用にお借りしたRTX 4090のFE、即ちFounders Edition。開封の儀に関してはこちらをご覧頂きたい

RTX 4090 FEに同梱される8ピン×4を16ピンの12VHPWRに変換するケーブル。NVIDIAによれば、このケーブルの設計はPCI Express Gen 5の仕様に準拠したものであるとのことだ
SM/RT/Tensorの3要素の強化がポイント
まずはRTX 4090のスペックを確認しておこう。AD102ベースのコアを使用しているが、フルスペックのAD102よりもGPC(Graphics Processing Cluster)1+1/3基ぶんのSM(Streaming Multiprocessor)が無効化されている。それでもCUDAコアはRTX 3090 Tiよりも1.52倍多い16384基を搭載。一方、メモリーの24GBのGDDR6X、384bitバスといった部分はRTX 3090 Tiと変わっていない。
また、動作クロックについてはTSMCの4Nノード(=5nm)採用によりブーストクロックは2520MHzまで引き上げられているが、その代償としてTGPは450Wに設定されている。
ただ、PCI Express Gen 5対応が見送られ、Gen 4 x16でリンクするというのはやや残念だ。RTX 40シリーズの発表が遅れたのは、仮想通貨マイニング熱の終焉に伴う既存GeForceの在庫調整という噂もあるが、PCI Express Gen 5でいくか、互換性重視でGen 4のままとするかの調整も遅れの一因ではないかと筆者は邪推している。

「GPU-Z」でRTX 4090 FEの情報を確認。インターフェースはPCI Express Gen 4 x16、メモリーバス幅384bit等の情報が確認できる。CUDAコア数(Shaders)は圧巻の16384基だ

GeForceの場合、GPU-ZでカードのTGPも確認できる。RTX 4090 FEでは定格450W、最大600Wと表示されているが、これはあくまでFEでの話であり、AICパートナー製カードではもっと控えめな値になっていることも考えられる

RTX 4090のブロック図。メモリーコントローラーなどはAD102フルスペックと同じ数が配置されているが、GPCが1基少なく、一部のGPCはSM数が減らされているものもある。この無効化ぶんのないものが、今後RTX 4090 Tiとして登場する可能性も十分考えられる
すでにお気づきかもしれないが、AD102およびRTX 4090のブロック図にはNVLinkの記載がない。NVIDIAはNVLinkの回路にトランジスタを割くなら、CUDAコア等の増量に使った方が良いと判断したようだ。NVLinkでマルチGPU環境を構築したかった人には残念だが、マルチGPUは今のゲームに求められるレスポンス向上(低レイテンシー)が得られない以上、非対応となったのは無理もない話だ。

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