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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第715回

Emerald Rapidsは2023年第4四半期に量産開始 インテル CPUロードマップ

2023年04月17日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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Granite Rapidsはいつ出荷するのか?

 続いて、そのSierra Forestの「直後」に、Granite Rapidsが出荷されるとしている。

問題は「直後」(“closely following”)の意味である。3ヵ月以内ならOKなのか、2024年中なら問題ないのか、なんなら1年を超えなければセーフなのか、意味合いは非常に難しい

 こちらはまだ“Hitting all major engineering milestones”という言い方をしているあたり、テープアウトしたかもどうかも怪しい。というのは、テープアウトしたならしたとそう書くだろうからだ。

 仮にテープアウトは終わっていたとしても、そこからA0シリコンが出てくるまで3ヵ月。その後Sierra Forestと同じペースで検証したとしても2024年9月ということになるが、これはかなり疑問符を付けざるを得ない。

 まずGranite RapidsのプラットフォームはSapphire Rapids/Emerald Rapidsから変更になる。ということで、来年中に出てくるならそろそろ検証用プラットフォームが出てこないといけないことになるのだが、まだそういう話がまるでない。

 またプラットフォームが変わると、通常顧客による検証期間も増えるのが普通であり、それを加味すると2024年中に検証が終わるかどうかギリギリ、ということになる。

 もっと根本的な話としては、そもそもIntel 3は大丈夫なのか? という問題がある。Intel 3はIntel 4の改良型であるから、前提としてIntel 4が順当に進んでいないとまずいのだが、現状Intel 4に関してはまったく話が出てこない状況でIntel 3云々を論じるのはかなり難しい。

 1つの可能性としてIntel 4を捨てて直接Intel 3に行くという方策も考えられなくもないのだが、Intel 4の進捗が芳しくない最大の理由がEUV露光であることを考えると、Intel 4を捨ててもそれほどメリットがないというか、本質的な問題の解決にはなっていない。

 昨年2月のInvestor Meetingで、インテルはIntel 4とIntel 18Aの前倒しを公開したが、このロードマップに従えばすでにIntel 4は量産を開始していることになる。単にこれを実現できないので、次のIntel 3を前面に出してきた(こちらなら2023年末まで猶予がある)という気がしてならない。

 もちろん5月末のCOMPUTEXあたりのタイミングで、Intel 4を使ったMeteor Lakeが大量に出てくるようであれば、筆者の懸念は杞憂というか取り越し苦労であったという話になるのだが。

 ただ現状を見る限り、Sierra Forestですらどこまで製造できる状況なのかも怪しい。あるいはSierra Forestが144コア止まりと言うのは、あまりに歩留まりが悪すぎるので、ダイサイズをかなり小さく抑えざるを得ず、必然的にコアの数が減ったということなのかもしれない。

 もう1つ気になるのがその先である。2025年にClearwater Forestが投入されるとしているが、これはEコアの方。で、Pコアの製品、つまりGranite Rapidsの後継として噂されていたDiamond Rapidsがスライドから消えているのが非常に気になるところである。

 こちらはIntel 20Aないし18Aでの製造(18Aの公算が高そう)という話だったが、これが2025年中に投入される可能性はなくなったという意味なのか、それともDiamond Rapidsそのものがなくなったという意味なのか。

 いずれにせよまだまだインテルのサーバーロードマップは前途多難な道程っぽい、というのが今回の発表から透けて見えた格好だ。

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