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「Z790 Pro RS」と「Z790 Pro RS/D4」で検証

"DDR4&DDR5どっちがいいのか問題"をASRockマザーで検証してみた

文●松野将太 編集●市川/ASCII

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 ここ1~2年ほどのデスクトップPC市場において、"PCのメモリー選び"は以前より注目を集めやすくなっている。言うまでもなく、数年間メインストリームに君臨していたDDR4メモリーの後継規格である「DDR5」対応メモリーが本格採用されはじめたからだ。

 最新のCPUを例に挙げると、AMDのRyzen 7000シリーズプロセッサーはDDR5メモリーのみをサポートしており、これ以外の選択肢はない。反面、インテルの第13世代CoreプロセッサーはDDR4とDDR5の両対応で、マザーボード側がどちらのモジュールに対応しているかによって搭載できるメモリーが変わってくる。そのため、「DDR4とDDR5のどちらを選ぶか」は無視できない問題となるわけだ。

 低価格ですでに普及しているDDR4メモリーに対し、当初は高価かつ在庫も潤沢ではなかったDDR5メモリーだが、最近では価格が大幅にこなれてきており、選択肢も以前に比べればずいぶん増えてきた。「そろそろDDR5メモリーを使ってみたい」というユーザーも多いはずだ。

 インテルプラットフォームでDDR5、あるいはDDR4メモリーのいずれかを使用したい場合、必然的にマザーボードも対応モデルを選ぶ必要が出てくる。ASRockのZ790マザーボード「Z790 Pro RS」および「Z790 Pro RS/D4」は、前者がDDR5メモリー、後者がDDR4メモリーに対応しており、機能的にはほぼ同一であるため、純粋にどちらのメモリーを採用したいかで製品を選べるのが大きなメリットのひとつだ。

 50A Dr.MOSを使用した14+1+1フェーズ電源回路に加え、2.5ギガビットLANポートや4つのPCIe Gen4x4スロットを備えるなど、今どきのマザーボードらしい拡張性も確保。Z790マザーボードとしてはどちらも3万円前後と抑えめの価格なので、コスパ派のユーザーは特に注目すべきだろう。

 この記事では、Z790 Pro RSおよびZ790 Pro RS/D4の特徴をチェックしつつ、実際にDDR5メモリーとDDR4メモリーの違いによるパフォーマンス差を確認してみる。

バランスよく要素を取り込んだ「コスパ良しのオールラウンダー」

 Z790 Pro RSおよびZ790 Pro RS/D4は、Z790チップセットを採用した第12/13世代インテルCoreプロセッサー向けATXマザーボードだ。両者の違いは基本的にメモリースロットのみで、型番の最後に「/D4」が付くのがDDR4メモリー対応モデルとなる。

DDR5メモリー対応の「Z790 Pro RS」。実売価格は3万5000円前後

DDR4メモリー対応の「Z790 Pro RS/D4」。実売価格は3万3000円前後

 共通する製品仕様をざっと確認していこう。外観は、ブラックの基板にシルバーカラーのプリントやヒートシンクが映えるモノトーンデザインを採用している。CPUソケットは「LGA 1700」で、第13世代Coreおよび前世代の第12世代Coreをサポートする。

 CPU電源回路は、CPU(VCore)に14フェーズ、CPU内蔵GPU(VCCGT)に1フェーズ、そのほかアンコア部分(VCCAUX)に1フェーズの合計16フェーズのデジタル回路で、このうちVCore部分に50A対応のDr.MOSを採用している。

CPU電源回路は合計16フェーズで、VCore部分に50A対応のDr.MOSを採用

CPU電源部には大型のヒートシンクを用意

 メモリースロットについては、Z790 Pro RSは最大DDR5-7200+(OC)をサポートするスロット4基を備え、メモリー最大容量は192GB(48GB×4)に対応。一方、Z790 Pro RS/D4は最大DDR4-5333+(OC)をサポートするスロット4基を備え、メモリー最大容量は128GB(32GB×4)に対応する。

 パッと見ではどちらがどちらなのか分かりにくいが、Z790 Pro RSのスロットは両ラッチ式で、Z790 Pro RS/D4のスロットは片ラッチ式といった違いもあり、メモリー周辺のコンデンサのレイアウトも微妙に異なる。なお、Z790 Pro RSはXMP 3.0、Z790 Pro RS/D4はXMP 2.0のプロファイル読み込みにそれぞれ対応可能だ。

Z790 Pro RSのメモリースロット。DDR5対応で、両ラッチ式

Z790 Pro RS/D4のメモリースロット。DDR4対応で、こちらは片ラッチ式

 ストレージはSATA 3.0(6Gbps)ポート×8のほか、合計4つのM.2スロットを備える。M.2スロットはすべてがPCIe 4.0x4に対応可能となっており、この価格帯で豊富なM.2スロットを活用できるのは最新マザーボードの利点と言えるだろう。最上段のM2_1スロットは金属製ヒートシンクを標準装備する。

最上段のM.2スロットには金属製ヒートシンクを標準搭載

4スロットすべてがPCIe 4.0x4通信に対応可能

SATA 3.0ポートは側面向きの6基に加え、マザーボード下部にさらに2基が用意されている

 拡張スロットはCPU直結のPCIe 5.0x16スロット、チップセット接続のPCIe 4.0x16スロット(x4駆動)、PCIe 3.0x1スロット×2の計4本。PCIe 5.0x16スロットは金属補強とともにアンカーポイントを増やした「強化スチールスロット」仕様だ。CPU直結の拡張スロットは最上段のみということもあり、基本的には最上段にビデオカードを装着し、それ以外の拡張デバイスは下段のスロットに装着していくことになるだろう。

拡張スロットは計4本。金属補強された「強化スチールスロット」のみPCIe 5.0x16接続に対応する

 背面インターフェース類は、USB 3.2(Gen2)Type-C、USB 3.2(Gen2)Type-A、USB 3.2(Gen1)Type-A×2、USB 2.0×4、2.5ギガビット有線LANコネクター、オーディオ端子×3、PS/2ポートなどを備える。映像出力はDisplayPort 1.4、HDMIポートの2系統だ。USBポートに関してはType-Cも含め標準的なポート数で、I/Oパネルが近年流行のプリマウントタイプであるのが嬉しい。

背面インターフェース。I/Oパネルは標準装着されているプリマウントタイプで、LANポートは2.5ギガビットに対応する

 全体として各要素がバランスよく配置されており、ゲームやクリエイティブなど、様々な用途での活躍が期待できる。「Pro RS」シリーズのコンセプトでもある「コスパ良しのオールラウンダー」という呼び方がふさわしいモデルと言えるだろう。

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