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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第710回

Rialto BridgeとLancaster Soundが開発中止へ インテル CPUロードマップ

2023年03月13日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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2025年投入予定のFalcon Shores

 Rialto Bridgeに代わるFalcon Shoresであるが、こちらはx86コアとXeコアを1つのパッケージに載せた構成で、AMDのInstinct MI300や(アーキテクチャーはx86ではないが)NVIDIAのGrace Hopperなどと同じようなAPU(インテル用語ではXPU)である。

Falcon Shoresの構成。これは昨年2月のInvestor Meeting 2022におけるスライド

 こちらも2022年5月のISCにおける基調講演ではもう少し詳細な説明が出てきている。基本的にはSapphire RapidsやPonte Vecchioと同じくマルチタイル構成であるのは間違いないが、ただわかるのはそこまでである。

この性能/消費電力比やCompute Density、Memory Capacity&B/Wがいずれも5倍という数字の根拠と、なにをどう比較しているのかはさっぱり不明である

 ちなみに上の画像ではx86タイルとXeタイルが2つづつ、合計4タイル構成で示されているが、2月のInvestor Meetingの際には3タイル構成の図が示されている。おそらくどちらも適当に作った図、という感じがしなくもない。最終的にCPUとXeのタイルがどういう数になるかはまだまだわからない。

 そのFalcon Shoresの概念図が下の画像であるが、普通に考えればこの内蔵メモリーとCPU/GPUの間はCache Coherencyがありそうに思えるのだが、実際どうなのだろう?

このLow Capacity/High B/W Memoryがなにを意味するのかだが、Xeon MAX同様にオンパッケージでHBM3を搭載する意味なのか、Ponte Vecchioで採用されたRAMBO Cacheの意味なのか、それとも他のものなのか、皆目見当が付かない

 さらに言えば、タイル方式なのでCPU/GPUコア以外にカスタムタイルも構成可能としている。

理屈はともかく現実的にこれが可能なのか? は非常に疑問

 それよりも問題は、2024年投入予定だったFalcon Shoresが、今回のプレスリリースではしれっと2025年投入に後退していることだろうか。そもそもPonte Vecchio(とSapphire Rapids)の投入が遅れたから、そのあおりを喰らって後ろにずれたのだろう。

 同様に、次の製品投入が2年後になったのがFlexシリーズの製品。要するにデータセンターGPUとして投入されている製品だ。最初のFlexシリーズは2022年のIntel Visionで発表になっており、8月にFlex 140/170として製品発表された

 これが初代のArctic Soundベースの製品であったが、これに続く製品として2023年以降にLancaster Soundという製品が予定されていることが以前アナウンスされていた。もっともアナウンスされたのはコード名だけで具体的な構造などは不明なままであったが、先に出たRialto Bridge同様に製造プロセスは変えずにXeコアの数やエンコーダーの数を増やした程度だったと思われる。

 ただこちらもキャンセルになり、これに続くMelville Soundに注力すると発表された。このMelville Soundはプレスリリースによれば「性能、機能、ワークロードの面で現世代から大きく飛躍する」ものになるそうで、プロセスの微細化によりコアの数やエンコーダーの数を大幅に増やした製品になるものと思われる。

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