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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第71回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2月18日~2月24日

セキュリティ人材は解雇されにくい、Z世代の4割強「子どもはほしくない」、ほか

2023年02月27日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年2月18日~2月24日)は、サイバー攻撃の標的になる日本、主要SNSのデータ生成量成長、IT人員解雇のセキュリティ人材への影響、日本のZ世代の出産子育て意識、非クリエイティブ職におけるクリエイティブツールスキルの優位性についてのデータを紹介します。

■[セキュリティ]2022年第4四半期、日本は米国に次いでサイバー攻撃の標的に、macOSも安全ではない(BlackBerry Japan、2月7日)
・9月~11月期に観測した未知のマルウェアは13万3700個、1時間あたり62件
・サイバー攻撃の標的となった国、トップは米国で65%、日本は8%で2位
・「macOS」を使用する顧客企業の34%が「Dock2Master」を保有

 2022年第4四半期版の「グローバル脅威インテリジェンスレポート」より。2022年9月1日~11月30日の間、同社セキュリティツールを通じて175万7248件のマルウェアベースの攻撃の阻止を確認した。観測された未知のマルウェア数は13万3695個だった。最もアクティブだった情報窃取型のマルウェアは「RedLine」。また、これまで安全と考えられてきたmacOSについても、不正な広告を通じてユーザーデータを収集する「Dock2Master」が34%の企業で見つかっており、「ユーザーは誤った安心感を抱いている」と警告している。

サイバー攻撃の被害にあった上位10カ国。日本(薄い青)は8%ながら、65%の米国(青)に次いでサイバー攻撃の標的となっている(出典:BlackBerry)

■[トレンド]10年でInstagramのデータ生成量は1785%増、Twitter投稿は2022年に急減(ドーモ、2月22日)
・10年間でInstagramの利用は1785%増、毎分6万6000枚の写真が投稿
・Instagram、YouTubeは増加傾向、電子メールは10年で13%増と控えめ
・ツイート数は2021年比40%減少、毎分34万7000件

 同社のデータ生成量についての年次分析レポート「Data Never Sleeps」より。今年で10年目となることを記念し、Instagram、YouTube、Google検索、Twitter、Facebook、電子メールの6種類について10年前と比較した。最も増加が大きかったのはInstagramで、2022年は2013年の1785%となった。続いてYouTube(10年で942%増)と、動画・画像を共有するサービスが高い成長を遂げた。なおTwitterは2013年から3倍近く増加しているが、ピークは2021年で2022年には急減している。2021年は1分間に57万5000件の投稿があったが、2022年は34万7000件だった。

チャネル別のデータ利用の10年前との比較(出典:ドーモ)

Twitterの投稿数は2021年から40%も減少した(出典:ドーモ)

※お詫びと訂正:初出時、Instagramの投稿数について「毎秒6万6000枚」としておりましたが、正しくは「毎分6万6000枚」でした。(2023年2月28日 18:00 編集部)

■[セキュリティ][人材]ハイテク企業の解雇相次ぐ2023年、セキュリティ人材は影響少ない((ISC)²、2月24日)
・2023年に想定される人員減、最も低いのは「サイバーセキュリティ」で10%
・サイバーセキュリティの人員削減の可能性がある日本企業は14%
・人員削減の可能性が高いのは「人事」(52%)「財務」(45%)など

 2022年12月に日本、米国など5カ国のCレベル1000人を対象に、景気後退期におけるサイバーセキュリティ業界への影響をテーマに調べた。回答企業の85%が2023年にレイオフが必要になると予想している中で、「サイバーセキュリティ」は最も人員削減予想が少なく(10%が人員減想定と回答)、反対に人員増予想が最も多い(42%が人員増を想定)。特に日本では82%が「サイバーセキュリティ人材は人員削減の影響を受ける可能性が低い」と回答しており、シンガポール(68%)、米国(79%)を上回った。サイバーセキュリティ部門の人員削減を行う可能性があると回答した日本企業は14%で、他の事業部門での人員削減を予測する回答(人事 53%、財務 45%、調達・生産物流37%、営業34%、マーケティング28%)を大きく下回った。

2023年に想定している人員の増減。サイバーセキュリティ(左端)人員は削減予定(緑)が10%と最も低い(出典:(ISC)²)

■[生活]Z世代の約5割が「将来、子どもがほしくない」、理由は「お金」「育てる自信がない」など(ビッグローブ、2月21日)
・「将来、子どもがほしくない」というZ世代は45%
・子どもがほしくない理由は「お金の問題」が17%、「お金の問題以外」は42%
・自治体による子育て支援については、48%が「引っ越し時に考慮する」

 全国の18歳から25歳までの男女500人を対象に実施した「子育てに関するZ世代の意識調査」より。「将来、子どもがほしくない」は45.7%、「将来結婚して、子どもがほしい」の44.9%を上回った。ほしくない理由は「お金の問題」は17.7%。お金以外の理由として、「育てる自信がない」「子どもが好きではない」「自由がなくなる」などが多く挙がった。「将来、子どもがほしい」と回答した人に支援について聞いたところ、「妊娠・出産期」(92.3%)「乳幼児期」(87.1%)をはじめ、「大学生」(69.8%)と全面的に支援を必要としていることもわかった。

将来の結婚と子どもについて尋ねたところ「結婚して、子どもが欲しい」(44.9%)、「結婚もしたくない、子どもも欲しくない」(36.1%)などとなった(出典:ビッグローブ)

お金の問題以外で子どもが欲しいと思わない理由は「育てる自信がない」「子どもが好きではない」などが挙がった(出典:ビッグローブ)

自治体による子育て支援の違いについては、48.2%が引越し時に考慮すると回答している(出典:ビッグローブ)

■[スキル]営業など非クリエイティブ職でクリエイティブツールのスキルが重宝、給与アップも(アドビ、2月21日)
・営業、企画・経営など非クリエイティブ職で、クリエイティブツールスキルを歓迎する求人が増加、2010年から約4倍増
・中途採用においてクリエイティブツール保有者は、非保有者より3.8万円月給が高い
・派遣社員でもクリエイティブツール保有者は、平均1万4572円アップ

 企業が採用においてクリエイティブツールのスキルを重要視するかどうかについて調べる年次調査「クリエイティブツールスキルの企業採用におけるニーズの変化」より。調査は2022年12月、求職・転職者と採用者、各200人を対象とした。非クリエイティブ職で求める人材にクリエイティブツールスキルを含む求人割合は、2010年と比較すると営業で4倍、企画・経営で2.4倍、管理・事務では4.7倍に増加した。管理・事務における増加について、リモートワークとオンライン商談の増加により営業資料に簡単なグラフィックや説明動画を挿入するケースが増えていると背景を説明している。

非クリエイティブ職の中途採用求人で「クリエイティブツールのスキルを歓迎する」記載がある割合が増えている(出典:アドビ)

中途社員採用において、クリエイティブツールスキル保有者は非保有者より3.8万円平均月給が高い(出典:アドビ)

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