レイトレーシングが1.8倍高速化
最後にレイトレーシング周りについて。今回、劇的に性能が向上した的な話は残念ながらなしである。とは言え、細かく改良がなされている。まずカリング(視点から見えないポリゴンをレンダリングしない高速化技術)周りで言えば、RDNA 2のLate CullingからRDNA 3ではEarly Subtree Cullingに切り替わっている。
要するに、レイトレーシングをかける前に不要な計算を省こうという話である。他のオブジェクトの影に隠れて描画されないオブジェクトの計算をやっても仕方がないから、という話だ(厳密に言えばそうでもないのだが、これは描画品質と速度のバーターということになる)。
また複数のオブジェクトのレイの計算順序を変えられるようになった。これによって、シーンに応じて最適な(つまり高速な)処理が可能になる。
加えて、レイの計算順序の最適化やスタック管理の最適化、さらにキャッシュの増量などの効果により、トータルで1.8倍に高速化されたとしている。
もっとも、元のRDNA 2のレイトレーシング性能そのものは競合のGeForce RTX 3000シリーズに比べるとかなり見劣りするもので、それが1.8倍になってもまだ厳しいところはある。実際、ベンチマーク結果で言えば下の画像のとおり。
FSRを無効化した状態での性能向上率はResident Evil Villageで43.6%、Dying Light 2で100%、Cyberpunk 2077で61.5%、Hitman 3で65.2%と素晴らしいのだが、生の数字で言えばResident Evil Village以外は20~30fps台でややプレイ云々以前のレベルである。
FSRを併用すればご覧のように60fpsを超えたフレームレートが実現されているが、まだGeForce RTX 4000に追いつくのは遠いと考えた方が良さそうである。
ハードウェア周りで言えばもう1つ、動画のエンコーダー/デコーダーの話がある。こちらはあまりDeep Diveでも詳細は語られなかったので、KTU氏のレポート以上の情報はないのだが、プレイ動画の配信をH.264からAV1に変更するとどうなるか? という実例で示されたのが下の画像である。こうなってくるとエンコーダーソフトの対応が待ち遠しいところである。
ソフトウェア周りなどに関しては今回説明を割愛するが、なにか劇的に新しいものが用意されたわけではない。FSR 3に関しても現時点ではプレビューのみで、具体的な実装方法などは不明なままである。
このあたりは製品発売日である12月13日以降に、もう少し情報が出てくるかもしれない(可能性で言えば、来年のCESで実際のゲームに組み込んだデモが行なわれ、その後でもう少し詳細が出てくるという確率の方が高そうだが)。とりあえずはRadeon RX 7900 XT/XTXのベンチマークが待ち遠しいところだ。

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