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石川温のPCスマホニュース解説 第150回

「1円スマホ」転売問題 通信と端末の分離は正しかったのか

2022年11月15日 09時00分更新

文● 石川温

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表向きは「やめたい」キャリア

 そもそも、キャリアとしても1円販売はやめたいという表向きのスタンスなのだが、販売代理店にお願いはできても強制することはできず、止めることは難しい。1社が1円で売れば他社も対抗せざるを得なくなるため、コントロールが全く効かないのだ。

 ソフトバンクの宮川潤一社長は「キャリアがユーザーに新規契約してもらいたいと、端末を安くしていったなかで1円スマホが生まれてしまった。社会現象として良くないと思っているので、今後是正させていただきたい。ただ、1社単体で行なうのは難しい。全体で下限値を設けるということには賛同しており、すぐに追従していきたい」としている。

 NTTの島田明社長も「宮川社長に同意する。1円スマホは決して良い商慣行とはいえない。問題は転売ヤーの存在であり、転売が最大の問題。世の中にとっても良いことではないので、解決策を一緒に議論できればと思う」としている。

 NTTドコモの井伊基之社長は、「販売代理店に『利益を捨てて、そういう販売はしないように』と忠告できても『いくらで売りなさい』とは言えない。それが実情。私自身はスマホを1円で売ることには反対の人間でして、新品を中古より安く売るっていうのは信じられない。いくらお客様を確保したいからと言っても、やっぱり健全な競争であるべき。でも残念ながら、他社がやるとやり返すっていうのがこの業界の1つの習慣になっている。全体として歯止めが利くような端末価格の設定を求めたい」としていた。

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