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石川温のPCスマホニュース解説 第148回

ニコンやライカ、フェイク画像対策にAdobeの新技術

2022年10月24日 09時00分更新

文● 石川温

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来歴情報は改ざん不可能

 例えば、有名人による不倫のやりとりが記されたLINEのスクリーンショット画像が、週刊誌の編集部に持ち込まれたとしよう。編集部の記者は関係者にもインタビュー取材をして、実際に不倫の関係にあるのか、記事にしても訴えられないかの事実確認を進めていく。

 ここでスクリーンショット画像が、どのスマートフォンでいつ撮影されたものかも確認する。ここにキチンと来歴情報があれば「ホンモノ」と認定し、証拠として記事に掲載できるというわけだ。

 一方、来歴情報がなかったり、Photoshopで加工されたデータだとわかると「偽物」ということで、記事掲載は見送りになる。

 これまでも写真であればExifのようの撮影機材のメーカーやモデル名、解像度、シャッター速度などが付与されているが、改ざんが可能だ。CAIの取り組みでは、こうした情報は暗号化され、改ざんできないようになっている。

メディアなど様々な企業が参加すべき

 CAIの取り組みが普及しても、ネットからはフェイク画像はなくならないだろう。今後、AIが作った画像など、巧妙なフェイク画像がさらに氾濫することは間違いない。

 しかし、「誰が作ったものか」「どういった編集過程が施されたのか」「どういった画像が重ね合わさってできたのか」というのを誰もが簡単に確認できるようになることで、だまされたりする心配は一気に無くなるのではないか。

 CAIの取り組みが一般的に広まるにはあと数年はかかりそうだが、誰もが「フェイク画像にだまされない」ためにもメディアを筆頭に様々な企業がCAIに参加していくべきだろう。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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