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脳トレはレースのタイムアップに繋がるのかをKDDIが筑波サーキットで実証実験!

2022年10月16日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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eスポーツからレースとドリフトへ
先輩ドライバー2人が奨励に訪れた

冨林勇佑選手(左)と山中真生選手

 会場には最初の実験の参加者で、スポーツから実車へのステップアップを果たし、国内最高峰のレース「SUPER GT」GT300クラスの5号車「マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号」のドライバーで、ASCII.jpでも応援中の冨林勇佑選手、FORMULA DRIFT JAPANに参戦するTEAM GOODRIDE MOTORSPORTSのドライバー山中真生選手もかけつけた。

 eスポーツ出身者と、そうでないドライバーの違いは何かを訪ねたところ、冨林選手は「僕たちは普段シミュレーターでトレーニングをしているわけですが、Gを感じられないかわりに、目だけですべてを判断するんです。だから目から入る情報量は普通のドライバーより多いと思います」。シミュレーターを単なるゲームの延長線と笑う時代は過去の話なのだ。

横Gや縦Gが体験できない部分を、視覚での情報量でカバー

 脳トレに関して冨林選手は「たとえば、F1ドライバーがレース直前に集中するために何かをやっているように、自分が集中できることをなんでもいいのでやることは大事かもしれないですね。自分に効果がありそうなものを脳トレを活かして見つけて、それをレース前に実践するっていうのはすごい有意義だと思います」と語った。

 山中選手も「自分も本番で実力を発揮できないところが今の課題なので、脳波をいろいろ調べていただき、どうしたら本番のとき、練習のときと同じ気持ちで本番を走れるかというのを明らかにしてもらいたいですね」とコメント。いずれも脳トレに高い期待感を抱かせるものだった。

感情のコントロールがタイム向上に繋がる

この実験を担当する伊藤 悟 KDDI 事業創造本部 XR推進部 サービス・プロダクト企画2グループリーダー

参加者から話を伺う伊藤氏

 この実験を担当する、KDDI 事業創造本部 XR推進部 サービス・プロダクト企画2グループリーダー 伊藤 悟氏も、脳波を活用したカジュアルなサービスの実現を目指している様子。今回の実証が将来的にどのようなサービスとして提供されるかは未定だが、伊藤氏は「自分の感情を上げたり下げたりできるようになって、自分がどの状態になったときに一番高いパフォーマンスを発揮できるのかが分かれば、自分でそこに持っていけるようになります。自分の脳波を可視化できれば、何を考えたら感情が上がるのか、自分で試行錯誤できますからね」。

 また、今回はラップタイム計測であるが、高齢者への認知トレーニングに、この脳トレが役立つのでは? とも考えられている様子。高齢者の交通事故が社会問題化している中で、今回の実証実験が事故防止に役立つ日が来るかもしれない。

スバルも脳トレの効果に着目
モータースポーツ全体に取り入れられる未来もありそう

スバルドライビングアカデミーの車両

スバルドライビングアカデミーの車両

スバルドライビングアカデミーの車内。こちらにもカメラが取り付けられていた

 脳トレには自動車メーカーSUBARUも興味を示しているようで、同日、スバルドライビングアカデミーメンバーも実車(スバル BRZ)とドライビングシミュレーターでのタイム測定、脳スキル測定を実施していたことをご報告したい。

参加者同士でコースのライン取りを確認

 KDDIと脳トレは、普通の人ならまったく結び付かないかもしれない。それについては前回の記事をご覧いただくとして、auのブランドスローガンである「おもしろいほうの未来へ」を、肌身をもって感じた次第。近い将来、運転スキル向上を目指したいからauの端末・サービスを選ぶ、という時代が来るかもしれない。

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