eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ第5回

SUPER GT第5戦鈴鹿で、重いサクセスウェイトに翻弄されたマッハ号冨林

文●吉田知弘 写真●加藤智充 編集●ASCII

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スタートの躓きが
最後まで響いた決勝レース

 28日(日)の決勝レース。今回も第4戦富士と同様に450kmの距離で争われた。GT300クラス16番手からスタートとなった5号車は、冨林がスタートスティントを務め、途中で平木に交代するという作戦をとったのだが、いきなりトラブルが発生してしまう。

 フォーメーションラップがスタートするというところで、5号車はエンジンがかからないトラブルに見舞われてしまった。コースマーシャルの手を借りて、なんとかエンジンがかかり隊列に復帰したものの、最後尾に回ってレーススタートを迎えることとなった。

 さらに車内では無線の調子が悪くなっており、ピットと思うようなコミュニケーションが取れない状態となっていた。

 「バッテリーが上がっていたのか、エンジンがかかりませんでした。マーシャルの皆さんに押しがけしてもらいました。さらにウォームアップの段階から無線も壊れてしまっていて……」と振り返る冨林。気を取り直して、後方からの挽回を狙って、序盤から安定したペースで周回した。

 21周を終えて最初のピットストップを実施。ここではドライバー交代は行わず、冨林のまま第2スティントに入った。

 前回の富士では、タイヤが異常磨耗してしまい苦戦していたが、今回は力強いペースで周回を重ね、徐々に順位を上げていった。それでもサクセスウェイトの影響は大きく、ポイント圏内には届かない状況。冨林は合計41周を走破し、平木にドライバー交代した。

 「最初はすごくペース良く走れていたんですけど、レース開始直後にスターターの問題が出たのに対して、どういう風に戦略を変えるのかを、(無線不調で)チームとやり取りができない状態で、僕もサインボードを見ながら、タイヤを労わりつつ走りました。あとは、僕たちはストレートスピードが遅いので、ライバルの後ろについても、なかなか抜くのが難しかったです。あとは第2スティントの最後でタイヤのピックアップ(タイヤカスがタイヤについてしまうこと)に悩まされてペースが落ちてしまいました」(冨林)

 あとは平木が粘り強く走って順位を上げていく目論見でいたが、49周目にコース上でクラッシュ車両が発生しセーフティーカーが導入された。5号車としては義務となっている2回のピットストップを終えているという点はメリットだったのだが、先行するライバルたちがSC導入を見越して急きょ2度目のピットストップを敢行。これでポジションを確保されてしまい、5号車は大幅なポジションアップができなかった。

 レース再開後は、平木が必死に追い上げようとしたが、大幅なポジションアップは叶わず、最終的に19位でチェッカーを受けた。

 今回も様々な不運に襲われた5号車だが、サクセスウェイトが多くなってからのペース維持というのが一番の課題となっている様子。レース後、冨林も「もうちょっと、この(重い)ウェイトとお友だちにならないといけないなと感じました。特に、GT300の中でもこのクルマが一番ウェイト感度があると思います。10kg程度ならまだいいんですけど、30kgを超えてくると苦しいですね。その辺はもう少しうまく付き合っていきたいですね」と、現状を語ってくれた。

 次回の第6戦の舞台であるスポーツランドSUGOも、高速コーナーが比較的多く、ウェイト感度が出やすいと言われるコース。まずは予選トップ10圏内という目標を立て、冨林とチームは決意を新たにしていた。

GT300クラスは5年ぶりに初音ミクAMGが勝利

 GT300全体のレースを振り返ると、予選から快走を見せていた4号車「グッドスマイル 初音ミク AMG」が2017年の開幕戦以来5年ぶりとなる優勝を遂げた。なお、グッドスマイルレーシングが参戦して今年で15シーズン目だが、鈴鹿はこれが初勝利となる。

 また、ポールポジションからのスタートだったものの、途中で順位を落としていた10号車「TANAX GAINER GT-R」が追い上げを見せ、2位入賞。そして21番手からのスタートだった30号車「apr GR86 GT」がじわじわと順位をあげていき3位表彰台を獲得した。

 この鈴鹿戦ではランキング上位陣が軒並み沈んだため、チャンピオンシップの行方は混沌としたものになってきた。次戦、スポーツランドSUGOではどのチームに勝利の女神が微笑むのか、目が離せない。

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