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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第4回

なぜフェイスブックはメタになったのか

2022年09月08日 09時00分更新

文● 新清士 編集● ASCII

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VR市場を独占、そしてメタバースへ

 しかしOculus Questという独立したデバイスを出したことでようやく地獄から脱出できたという流れがあります。

 2020年ごろからQuestを明確にゲーム機として売り出すようになり、家電量販店や大型スーパーのようなところで、Nintendo Switchなどが置かれる場所で売るようにしたのですね。アメリカではゲーム機のひとつとして選ばれるというブランド付けに成功しました。

 今年5月の段階で、Quest 2の出荷台数は1500万台に迫る勢いとなっていました。ソニーやHTCなどの競合をおさえ、VR部門においては独占的な状態にあります。PCでも動作する環境も提供しているのですが、SteamにおいてもQuest 2の利用率は約5割にのぼります。ゲームの体感としては、ケーブルレスで遊べるQuest 2用のゲームのほうがよいことも多いため、Quest StoreはSteamよりも有力な販売の場になっています。今や立場は完全に逆転しました。

 現在では、ザッカーバーグは「ゲームはVRの入り口である」という定義づけをしています。Quest 2の利用ユーザーの主目的がゲームであることはさすがにザッカーバーグも認めているので、それを入り口として仕事や生活、教育やコマースにも使える環境を作っていこうというわけです。

 その中で、これまでVRと呼んでいたもので生活することを、「メタバース」と彼らは呼ぶようになりました。そして2021年10月に社名をメタに変更しています。メタは現在もQuestシリーズにすさまじい金額の投資をしていますが、それはあくまでもiPhoneやAndroidに通じるような自社デバイスを普及させて、完全に独立した経済圏を作ることが大きな目標になっているわけですね。

 次回はメタが実際にどんなメタバースを作っていて、その先にどんな社会を作ろうとしているのかという話をしたいと思います。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。「バーチャルマーケット(Vket)」で知られる株式会社HIKKY所属。デジタルハリウッド大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRゲーム開発会社のよむネコ(現Thirdverse)を設立。VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。著書に8月に出た『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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