車中泊のメリットだけでなく
デメリットも考えよう
実際に車中泊レポートをする前に、車中泊のメリットを考えたいと思います。おそらく多くの方は、「泊まりたいところで泊まれる」「コストが安い」「時間の制約を受けない」の3点を挙げられるのではないでしょうか。
時間的制約を受けないという点においては、旅館のような料理の都合でチェックインの制限があるならともかく、素泊りのビジネスホテルなら制約はありません。むしろ車中泊の方が時間的制約を受けたりします。その理由はズバリ入浴と食事。というのも地方のスーパー銭湯や定食が食べられるところは20時閉店が多いのです。「夜、飲食店がそんなに早く閉まるのか?」と思われることでしょう。ですが、夜に空いているのは居酒屋で、クルマを運転する以上、お酒を飲むわけにはいきません。
そこで食事に1時間、風呂に1時間かかると仮定すると、18時に飲食店、19時にスーパー銭湯に到着というタイムスケジュールを組まざるを得ないのです。ビジネスホテルなら、この入浴の時間は遅らせることができますので、時間的制約から逃れられるのです。もちろん食事も、飲み屋でOK。「お風呂に入って、その後クルマの中で酒とメシを楽しめばいい」という考えもありますが、万が一でも運転する可能性があるのなら、飲酒は控えるべきです。
「泊まりたいところで泊まれる」は、確かにそのとおり。サーキット近くにオートキャンプ場や道の駅などがあればいいのです。サーキット周辺道路は道が混みますから、早く会場入りしたい時に車中泊は実に有効。レースの朝は早いですから、ギリギリまで寝ることができるメリットは計り知れません。
コストに関しては、車中泊グッズを揃えるイニシャルコストとホテル宿泊費というランニングコストを天秤にかけて、どちらが得か、ということになるでしょう。今回のCX-8の場合、ベッド・クッションが2枚で8万1400円もします。なくても寝られますが、翌日、体がバキバキになるのは目に見えているので、用意した方がいいでしょう。一方、ビジネスホテルは1泊5000~6000円前後(時期や場所にもよりますが)。これに車中泊時に利用するスーパー銭湯の入浴料が1000円と仮定し、ホテル代から引くと1泊あたりの宿泊コスト4000円になります。8万円を4000円で割った20泊が損益分岐点。つまり21泊すれば元が取れるという計算になるのです。あくまでザックリですが。
何が言いたいのかというと、車中泊を考えていらっしゃる方は、そのメリットは何かを今一度考えて欲しいのです。というのも、やってみると結構「こんなハズでは……」というのが起きるのです。これからお話するように……。
では車中泊の準備をしましょう。3列目はすでに倒しているので、あとは2列目の背もたれを前方方向へ倒すだけ。実にカンタンです。続いてベッド・クッションを取り出し、敷けば完成です。この時、ベッド・クッションの裏に硬い板があるものとないものがあり、硬い板の方を2列目側にした方がよいようです。完全なるフルフラットかというと、運転席側の方が少しだけ高い様子。これは停める際に路面の傾斜を利用すればよいでしょう。あとは布団を敷くだけ。「寝袋じゃないのか!」と思われますが、不肖は枕はもちろん、布団が変わると寝つきが悪いのです。敷いてみるとカプセルホテルみたいな空間に早変わりです。
問題は荷室に置いていた荷物をどこに置くか、ということ。ズバリ言えば運転席と助手席に置くしかありません。その場合、大きなスーツケースを置くのは難しいので、荷物は小さなカバンに小分けし、テトリスのように積み重ねていくのがベストです。うれしい誤算は、2列目を倒した足元部分にスペースがあったこと。ここにも荷物が置けるので、小さなカバンはもちろんのこと、長物も入ります。これは小さなSUVではできないことです。
では仕事をしようと思った矢先。次なる問題が発生します。それは天井が低いということ。身長185㎝の不肖では頭がつっかえてしまうのです。よって寝ながら作業することになります。これは食事でもいえ、この姿勢での飲食は辛かったりします。「じゃぁ運転席で食べればいい」と思われるでしょう。それが荷物で埋まって座ることができないのです。よって「メシはバックドアを開けて、ラゲッジスペースをテーブルとして立ち食い」をしました。朝、これをやったのですが、ホントに寒いんですよ……。今の時期ならまだいいかもしれませんが。
CX-8でイイと感じたのはバックドア側にアクセサリーソケットが用意されており、いわゆるポータブル電源の充電ができること。このポータブル電源をタイヤハウス近くに置けば、スマホやノートPCはもちろん電気毛布が使える! さらに大容量ポータブル電源は重たいので動かしたくありません。実に有用です。
さらに3列目シートのドリンクホルダーの他にUSBレセプタクルがあるのも美質。手元に水があるのは実にイイですし、寝ながらスマホがクルマの中で実現できるのはかなり便利! ただしUSB給電はアクセサリーモードまたはエンジンがかかっている状態でなければなりません。
今回は寒いのでポータブル電源を使って、電気毛布で温まりながら就寝。これが本当にカプセルホテルみたいで快適。足だって伸ばせます。やっぱり足を伸ばして寝れるって素晴らしいことで、翌日膝がガクガクしないのです。ただ、頭を運転席側にすると枕が下に落っこちるので、頭をバックドア側にするのがオススメ。ただ、フラットなのですが運転席側の方に傾斜がついているので、地面が平らな場所だと寝ているうちに頭に血が上ることに。つまり「寝た時に荷室全体が水平になるポジションを作り出す」必要があります。
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