富士通Quadernoのカラー機能で絵に着色してみた(左)、そのカラー印刷出力(中央)。Quadernoの画像データ(PDF)をNova Air Cに転送して表示してみた(右)。ナチュラルなカラーデータだとカラー電子ペーパーではオフ気味のちょっと寂しいカラーになってしまう
カラー表示の彩度の低さは気になるが
バッテリー不要のスタイラスは充電忘れの不安がなく良い
実際のNova Air Cの画面でのカラー表示と、同じ画面のスクショを撮ってその画面をスマホやPCで見てみるとすぐに気づくことがある。一見してスクショの方が、赤色系や青色系の強調が目立つことだ。
おそらくこれは、現在Nova Air Cの採用しているカラー電子ペーパーでの発色の最適化処置なのだろう。一方、富士通Quadernoで画面上では、モノクロにしか見えないが赤い色付けをしたデータをNova Air Cに転送して画面に表示してみると、やけに彩度の低い画像となる。カラー電子ペーパー用の最適化をしていないと、多少彩度が低い。
実際にNova Air Cに表示させた週刊アスキーの表紙とその印刷出力、スクショを撮りスマホに転送したデータを画面表示したものと、その印刷出力の4つを比べて一覧してみるとその差異は明らかだ。「何が本物か?」という問いはもう過去に嫌という程あった話でもあり、どれが好きかという問いも別の側面で同じことだ。
鮮烈な印象を受けるギンギンのウルトラ鮮明カラー表示が心地よい人もいれば、オフ気味の疲れない色がお好みの人もいる。なので正解はないというのが現状の印象だが、カラー電子ペーパーの色味は普段見慣れているスマホやタブレットとは多少異なる。
Nova Air Cの出番はフルカラーの写真再生や動画、高速なウェブサーフィンではない。カラフルな分かりやすいアイデアメモやモノクロの電子ペーパーなどに、カラーペンやマーカーを使用した文字校正や強調、アノテーションの追加記述だ
確かに4Kで撮影した写真を見るには、現状のカラー電子ペーパーは確実に不向きだ。しかし、手書きのレポートやパワポの企画書の作成、カラーマーカーペン、カラー文字でのアクセント付け、アノテーションの付加は、カラー電子ペーパーならではだ。また、間違いなく4096色以下のコミックなど、意外に鮮烈さや派手さを要求されないデータは多い。
加えて筆者が気に入っているBOOX製品の良い点は、筆記用のスタイラスがバッテリー不要のワコムEMRテクノロジーに準拠した製品であることだ。標準付属のスタイラス以外にも慣れ親しんだ形状やブランド製品も多く、選択の幅の広さがうれしい。充電式のスタイラスの場合、本体の充電は忘れることは少ないが、スタイラスの充電を忘れていて困ったことが何度かあった。

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