キャッシュレス世界もつかの間
財布も持つことが重要だと再び思うように
PayPayが2018年の10月に華々しくスタートして、日本中が一気に「キャッシュレスペイメント・ワールド」(現金なし支払い)になったように思えた。新しモノ好きな筆者も、その年末には有楽町のビックカメラで大型テレビを購入して5万円の「PayPay残高GET」を果たした。
スタート時の安い手数料やキャンペーンが奏して加盟店はどんどん増え、世はまさにキャッシュレスワールド元年を迎えたかのようだった。そして2021年1月にはメガバンクに続き、ゆうちょ銀行の窓口での50枚以上の硬貨入金に対して手数料がかかる事態となった。「小銭貯金お断り」とも思える仕組みのスタートで、キャッシュレスペイメントは加速すると思えた。
我が家でもキャッシュレスペイメント対応が進み、無造作にビニール袋に放り込んだままで溜まりに溜まった小銭の消化活動を考え始めた。当面は50枚以下の硬貨をまとめてゆうちょ銀行の窓口に持ち込んだり、自らもチャンスがあれば小銭を使うためのコインホルダーや残存コイン見える化のためのコインレジを準備して、自宅内小銭の消化・減少に挑戦した。
良い機会なので、従来から保有していたクレジットカード系も断捨離して、選んだ2枚だけを薄いカードケースに入れた。そして日常持ち歩く最低限の紙幣と小銭は、レガシーな大きな財布をすべて止めて、カードケースに小さく折り畳んで収納し、小銭はキーホルダーにぶら下げる500円硬貨が2枚入る丸い革製ケースに替えた。その結果、昔懐かしいブランド財布などが一気に余ってしまった。
このトレンドのまま、そして海外のキャッシュレス世界に詳しい専門家が煽るように、どんどんキャッシュレスペイメント・エラに突入すれば、筆者も快適なキャッシュレスペイメント時代をエンジョイできたはずだったが、いつの時代も「そうは問屋が卸さない」。
当初の安い手数料でPayPay決済を始めた近所のお店も、お試しキャンペーン期間が終了し手数料が普通に戻ってしまったら、周囲にはアッという間に潮が引くように昭和な現金決済に戻してしまったが、かといって無視できないお店がいっぱいになった。
下町に住む筆者がよく行く超美味い街中華は、昔からまったくブレない現金オンリー。一時はPayPayが使えた昭和レトロな居心地の良い喫茶店も、美味しくて有名なお肉&コロッケ屋さんも、あっという間にPayPayの看板を下ろし従来通りの現金だけとなった。これが今の現実なのだ。
きっとこの動きは我が家の周囲だけではないはずだ。店舗のある地域によって異なるかもしれないが、つい先ほど近所のいなげやに買い物に行って支払いの段階で気づいたが、現金以外はレトロないくつかのクレジットカードしか使えない。PayPayもSuicaもVISA Touchも、どこの世界のお話……という雰囲気だった。
もはや「日本全国どこでもキャッシュレス」なんて妄想はひとまず置いて、財布も持つことが重要だと再び思うようになってきた。そんな時にウェブで、紙幣も硬貨も収納できるキーホルダータイプのミニ財布「DaysArt お散歩ウォレット」(以降、お散歩ウォレット)を見つけて、速攻衝動買いをした。手に入れてちょうど1ヵ月経ったので、いつも以上に完全な使用者目線でご紹介したい。
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