山間部などは衛星でカバーする大胆な計画も
楽天モバイルの出発点であり、アイデンティティとなっているのが「完全仮想化」です。これは携帯キャリア向けの高価な専用ハードの代わりに、同等の機能をソフトウェアと汎用ハード(PCなど)で動かすことで大幅にコスト削減を図るという発想です。
新規参入の楽天が仮想化技術の全面採用に挑戦したことは評価できるものの、実際に携帯キャリアとしてサービスを提供するには全国に基地局を張り巡らせる必要があります。4月にはローミングエリアを大幅に縮小することで、楽天のエリアはどうなのか、全国で試されることになるでしょう。
かつてはソフトバンクも、900MHz帯のプラチナバンドを得るまではエリアを広げるのに苦労していました。その間に「ソフトバンクはつながりにくい」とのイメージが定着してしまい、それを払拭するのに何年もかかっていた記憶があります。
楽天は人口カバー率99%台の後半、コストのかかる山間部などは衛星でカバーするという大胆な計画を示しています。しかし都市部や郊外で誰もが満足できるほどエリアが充実するには、まだまだ時間がかかりそうです。
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