ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第653回
RDNA 3は最大10240SPでRadeon RX 6900 XTを遥かに超える性能 AMD GPUロードマップ
2022年02月07日 12時00分更新
RDNA 3では2つのCUを1つにまとめ
CUの規模が4倍に増加
RDNAはCUを2つ束ねたものを、WGP(Workgroup Processor)として扱っている。このWGP、RDNA/RDNA 2の時点では、ハードウェア的には1つの管理単位であったが、ソフトウェアから見れば2つのCUとして見える形で、少なくとも明示的にWGPレベルでなにか管理、という話ではなかったはずだ。
WGPには共有のローカルデータシェアやスケジューラー・データキャッシュ/スケジューラー・インストラクションキャッシュが配されていたが、5つのWGPで共有される形で128KB L1が配され、さらにその外側の外側にすべてのWGPで共有される形で4MB(256KB×16)のL2が配される形になっている。
このL2の容量はSKU(CU/WGPの数)によって変化する。RDNA 2では、このL2のさらに右側、インフィニティー・ファブリックにインフィニティー・キャッシュがL3として追加実装されているが、ここまでの基本構造は同じと考えていいだろう。
ということで、ここでCUが廃されるというのはどういうことかと言えば、スケジューラーやベクトルキャッシュが、2つのCUで共通になるように構成された形で、しかもSP数が倍増するという構成になったと考えられる。
これはRDNAの図を基にした、RDNA 3のWGPの想像図。実際にはベクトル・レジスターの容量も倍増していそうだし、そもそもテクスチャーフィルター/マッピングユニットの数が1WGPあたり8/32個かどうかも疑問が残るところではあるが、想像図なので勘弁してほしい
要するにCUの規模が4倍になった形で、Wave 32を1サイクルあたり8つハンドリングできることになる。これをCUとして表現しなかったのは単に過去のCUとごっちゃになるのを避けたかったためだろうし、なぜ2CUを1つにまとめたかと言えば、おそらく規模を大きくするにあたり、より大きな単位で管理するようにすることでオーバーヘッドを減らしたかったのだろう。
ひょっとすると、Wave32に代わりWave64が管理単位として復活するかもしれないが、それなら32-Wide SIMD×8よりも64-Wide SIMD×4の方が合理的な気がするので、Wave32はそのまま継承されるだろう。
この、SP数が倍増したWGPが5つと、RB(Render Backend)がまとめて1つのL1を共有する、という構造そのものはRDNA 3でも変わらないようだが、RDNA 3ではこのWGP×5+RB+L1をまとめてシェーダー・アレイと呼び、これが最小単位になるらしい。つまり1280SP構成だ。

この連載の記事
-
第858回
デジタル
CES 2026で実機を披露! AMDが発表した最先端AIラックHeliosの最新仕様を独自解説 -
第857回
PC
FinFETを超えるGAA構造の威力! Samsung推進のMBCFETが実現する高性能チップの未来 -
第856回
PC
Rubin Ultra搭載Kyber Rackが放つ100PFlops級ハイスペック性能と3600GB/s超NVLink接続の秘密を解析 -
第855回
PC
配線太さがジュース缶並み!? 800V DC供給で電力損失7~10%削減を可能にする次世代データセンターラック技術 -
第854回
PC
巨大ラジエーターで熱管理! NVIDIA GB200/300搭載NVL72ラックがもたらす次世代AIインフラの全貌 -
第853回
PC
7つのカメラと高度な6DOF・Depthセンサー搭載、Meta Orionが切り開く没入感抜群の新ARスマートグラス技術 -
第852回
PC
Google最新TPU「Ironwood」は前世代比4.7倍の性能向上かつ160Wの低消費電力で圧倒的省エネを実現 -
第851回
PC
Instinct MI400/MI500登場でAI/HPC向けGPUはどう変わる? CoWoS-L採用の詳細も判明 AMD GPUロードマップ -
第850回
デジタル
Zen 6+Zen 6c、そしてZen 7へ! EPYCは256コアへ向かう AMD CPUロードマップ -
第849回
PC
d-MatrixのAIプロセッサーCorsairはNVIDIA GB200に匹敵する性能を600Wの消費電力で実現 -
第848回
PC
消えたTofinoの残響 Intel IPU E2200がつなぐイーサネットの未来 - この連載の一覧へ



