本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第142回は、紙資料を簡単にOffice文書に変換できる「Adobe Scan Premium」について紹介する。
文書管理に便利な「Adobe Scan Premium」有償版の4つの機能
Adobeのスキャンアプリ「Adobe Scan」はスマホカメラで紙資料を撮影することで、手軽にPDFに変換できる。スマホをスキャナーとして使えるので、掲示物でも看板でも取り込めるのが便利だ。無料で利用できるが、Acrobat Pro DCユーザーであれば「Adobe Scan Premium」が利用できる。
「Adobe Scan Premium」は無料版の機能に加えて、4つの機能を搭載している。今回は有償契約した場合に使える機能を紹介しよう。「Adobe Scan Premium」は通常の「Adobe Scan」アプリをインストールし、契約済みのAdobe IDでログインすればいい。
まずは、複数のスキャンデータを一つのファイルにまとめ、効率的に文書を管理できる機能。複数の書類をまとめたいときや紙資料に撮影済みのセミナー風景を付けておきたい、といったときに利用できる。
「Adobe Scan Premium」のファイル一覧画面で「…」メニューから「複数の項目を選択」をタップ。ファイルを選択して「結合」をタップすればまとめられる。
最後の画面で、まとめるファイルの順番を並べ替えたり、新たなファイルを追加することができる。結合したファイルは新しいファイルとしてDocument Cloudに保存される。
2つ目が、スキャンしたファイルをPDFやJPGのほか、WordやExcel、PowerPoint形式で出力できる機能。元々Adobe Scanでは読み込んだ画像をOCR処理で検索できるようにしてくれる。「Adobe Scan Premium」ではさらに進んで、Office文書に変換できるのだ。
変換したいPDFファイルの「…」メニューから「PDFを書き出し」をタップ。ファイル形式を選択し、「書き出し」をタップすればいい。ExcelやPowerPointに加え、Wordは.docと.docxの2種類、リッチテキスト形式などが選べる。変換したファイルはDocument Cloudにあるので、Officeアプリなどで開けば編集できるようになる。
認識精度は高い。カメラで撮影した画像が元になっているのに、基本的にきちんと認識されている。WordやExcel、PowerPointで表示したときに中華フォントで表示される場合は、日本語フォントに変更すればいい。
3つ目が、OCR処理を行うページ数。無料版は25ページまでだが、「Adobe Scan Premium」は最大100ページまで認識できる。出先でもページ数の多い資料もまとめてPDF化できるのは便利だ。
4つ目が、クラウドのストレージ容量を増加してくれる点。無料版だとDocument Cloudの容量は2GBだが、「Adobe Acrobat PDF Pack」を契約すれば20GBにアップされる。ちなみに、「Adobe Acrobat Pro DC」を契約している場合は、100GBの容量を利用できる。
すでに有償版Acrobat DCの利用ユーザーであれば、Adobe Scanとの組み合わせでモバイルでもデスクトップでも作業ができ、ドキュメントワークがより柔軟に進められる。
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