本連載は、Adobe Acrobatを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第162回は、PDFから印刷物を作成する際のファイルフォーマット「PDF/X-4」について紹介する。
印刷機でPDFを印刷するときはファイルフォーマットを変える
パンフレットやポスター、冊子などを印刷する際、自分で作成したPDFファイルを印刷業者に納品することもあるだろう。その際、PDF/X-4で納品するように指定されることがある。PDF/X-4は、印刷業界向けの国際標準規格「PDF/X」ファミリーの一つで、印刷ワークフローに適したPDFの仕様を定義したもの。印刷工程におけるデータの一貫性と信頼性を確保するためで、PDF/X-4は特に透明効果やレイヤーをサポートしているのが特徴だ。
例えば、普通にWordで作った文書をPDFにすると、画像のカラーモデルはRGBとなる。ディスプレイで見る分にはいいのだが、印刷する際はCMYKにすることが多い。PDFファイルを開き、「印刷工程を使用」→「出力プレビュー」をクリックし、「表示」メニューで「CMYK」を選択してみよう。RGBの場合は画像が表示(印刷)されなくなるはずだ。
PDF/X-4に変換するなら、同じく「印刷工程を使用」から「プリフライト」を開く。「規格」タブを開き、「PDF/Xとして保存」を選択して、続行をクリックする。他にも、長期保存のための「PDF/A」やダイナミックコンテンツを扱う「PDF/E」といった規格に準拠したPDFに変換することも可能だ。
続いて、バージョンを選択する。特に印刷会社から指定がないなら、「PDF/X-4」を選択すればいいだろう。最後に、「フィックスアップを実行」にチェックを入れ、「名前を付けて保存」をクリック。PDFを別ファイルとして保存すれば完了だ。
変換が完了すると、「結果」タブが開く。PDF/X-4に変換する際、どんな項目が設定され、修正されたのかを確認できる。試しに、「出力プレビュー」でCMYK表示させると画像が表示され、RGB表示にすると画像が消えるようになった。
印刷物を断ち切るためのトンボも追加できる
印刷物を仕上がりサイズに正確に裁断するための目印としてトンボを入れるように指示されることもある。これも「印刷工程を使用」メニューの「トンボを追加」から入れることが可能。
必要なトンボにチェックし、スタイルを選択。ページ範囲を指定したら「OK」をクリックする。トンボは文書の外側に追加されるので、そのままでは表示されない。そこで、「PDFを編集」からページ全体をトリミングし、一回り大きいサイズを指定すればいい。ここでは、A4の文書をB4サイズで表示してみた。

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