バッテリー持続時間向上、故の6.1インチ
iPhone 13シリーズは、内部構造の再設計やA15 Bionicの省電力性から、バッテリー持続時間が1.5〜2.5時間向上しています。iPhone 13 miniはバッテリー持続時間がネックだっただけに、1.5時間の向上で安心して選びやすくなります。
しかし、iPhone 13は2.5時間持続時間が延びており、miniとの差はさらに開いてしまいました。せっかくminiの弱点をカバーしようとしたら、他のモデルのバッテリー性能が上がってしまった点は、なんとも皮肉な話です。
Proモデルはもともとバッテリーが長く設計されていましたが、それでもiPhone 13 Proで1.5時間、iPhone 13 Pro Maxでさらに2.5時間伸びました。
iPhone 1台でパソコンのテザリングも含めて全てをこなす使い方をしている人にとって、バッテリーキングたるiPhone 13 Pro Maxがその優位性をさらに高めた点は、期待通りの進化と言えるかもしれません。
しかしiPhone 12 Pro MaxよりiPhone 13 Proの方がバッテリー持続時間が長くなってしまった点、iPhone 12 Pro Maxのバッテリー持続時間で十分間に合っていた人(筆者です)にとっては、必ずしもバッテリーでMaxを選ばなくて良くなった、ということです。
昨年と違い、Proモデル間でカメラ性能の差はなくなっており、6.1インチモデルでも最高のカメラ性能が手に入ることからも、2014年のiPhone 6 Plus登場以来、大きなサイズを選んできた筆者も、7年ぶりにiPhoneのダウンサイジング(6.7→6.1インチ)を敢行できそうです。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。モバイルとソーシャルにテクノロジー、ライフスタイル、イノベーションについて取材活動を展開。2011年より8年間、米国カリフォルニア州バークレーに住み、シリコンバレー、サンフランシスコのテックシーンを直接取材。帰国後、情報経営イノベーション専門職大学(iU)専任教員として教鞭を執る。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
この連載の記事
-
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第148回
iPhone
アップルiPhoneラインナップから浮かび上がる2つのこと -
第147回
iPhone
アップル製品ラッシュふたたび? -
第146回
iPhone
アップルはiOS 15で「時間の支配権」をユーザーの手に取り戻させようとしている -
第145回
Apple
アップル新型「iMac」驚きの電源 - この連載の一覧へ