クルマ好きアラサー女子の矢田部明子です。今回はスズキの「エブリイ バン」についてレポートしたいと思います。1ヵ月前から運送のバイトをして気づいた、良かったこと&悪かったことをお伝えできればと思います。購入を検討されてらっしゃる方は、ぜひ参考にしてください!
スズキ「エブリイ」ってこんなクルマ
4人乗り&荷室の広いバンが欲しい! という人のために、1964年9月に誕生した軽商用車「スズライト キャリイバン」。時代とともに「キャリイバン」「エブリイ」と車名を変え、たくさんの人に親しまれているクルマです。バン本来の「積む・運ぶ」といった実用的な機能が重視されている、いわゆる働くクルマですが、最近では趣味のクルマとして購入する方が増えてきています。
車名は「Every(あらゆる)」という意味から、高い積載性&キビキビ走る軽快さを兼ね備えたワンボックス車をイメージして命名されました。
そんなエブリイを使って、知り合いの印刷会社で運送のバイトを1ヵ月間してきました。そこで気づいたエブリイのあれこれを紹介します。
| スズキ エブリイ バン(4WD・5AGS) 主なスペック |
|
|---|---|
| サイズ | 全長3395×全幅1475×全高1895mm |
| ホイールベース | 2430mm |
| 車重 | 940kg |
| エンジン | 660cc 水冷4サイクル直列3気筒 |
| 最高出力 | 46PS(34kW)/5700rpm |
| 最大トルク | 59N・m(6kgf・m)/3800rpm |
| 価格(税込) | 120万4500万円~ |
エブリイの良いとこ悪いとこ その1
維持費&ランニングコストについて
エブリイ バンは「軽自動車」ではなく「軽商用車」という区分になります。軽商用車のメリットは、なんといっても「維持費の安さ」です。たとえば、自動車税についてですが、軽乗用車が1万800円なのに対し、軽商用車は5000円とかなり安いのです。
ほかには、「車両価格の安さ」にも注目です。同じエブリイシリーズとはいえども、エブリイ ワゴン(乗用車仕様)と、エブリイ バン(商用車仕様)を比べると、スペックはほぼ同じなのに、15万円くらいエブリイ バン(商用車仕様)の方が車両価格を抑えることができます。また普通車の商用車は1年車検ですが、軽商用車は乗用車と同じく2年車検となります。
維持費も安い&車両価格も安いと、お財布に優しいクルマとなっています。
エブリイの良いとこ悪いとこ その2
走行性能には一癖あり
トランスミッションには、AT&MTのほかに「AGS(オートギアシフト)」があります。AGSとは、クラッチを電子制御で動かしてシフトする電子制御マニュアルのことで、ザックリいうとATとクラッチなしのMTを組み合わせたというイメージです。坂道を下るときにエンジンブレーキが効くといったMTの良さを生かしつつ、クラッチ操作はしなくて良いという「MTとATのいいどこ取り」をしているトランスミッションです。
ちなみに、私がバイトで乗っていたエブリイはAGSでしたが、乗り味は一癖ありかなと感じました(運転が下手というのもあります)。加速していくと、ギアの伝達を変える「カクン」という衝撃に慣れませんでした。ウェブサイトを見ると、エンジン音が大きくなって、ギアがそろそろ変わるかなというタイミングでアクセルを緩めたら良いそうですが……。配送の仕事は、時間指定などもあってそれどころではなかったので、私は諦めました。
走行音に関しては、エンジン音がかなり大きいのでうるさいと感じる人も多いかもしれませんが、小回りがきく&車体が長方形なので、細い道もグングン進めて、車両感覚もつかみやすいです。燃費は、80kgの荷物を積んだ状態で14㎞/Lくらいでした。
エブリイの良いとこ悪いとこ その3
車内の居住性は必要最低限
運転席&助手席&後席の、足元のスペースは広々です。158cmの私が座ると足を広々伸ばせるし、まだ余裕があります。シートは固めなので、長時間座っているとお尻が痛くなります。
ドリンクホルダーやメモ帳を置けるスペースなど、これだけはあった方がいいという収納はついています。テーブルはないので、お弁当はインパネ部分に置いていました。
1番辛かったのは、エアコンをつけているのに車内が暑いこと……。車内がまったく冷えません。本当にかなり暑い! 少しでもエアコンの効きをよくするために、運転席&助手席の後ろにカーテンをつけて、冷風が後ろにいかないようにしている人もいるそうです。

この連載の記事
-
第588回
自動車
都市型SUVの新定番! マツダ「CX-30」がもたらす新感覚ドライブ -
第587回
自動車
死角ナシの万能SUV! マイチェン版トヨタ「カローラ クロス」に乗ってわかった“しっとり快適”の正体 -
第586回
自動車
今しか選べない“熱き”ガソリンSUV!マセラティ「グレカーレ」の真髄を体感する -
第585回
自動車
カッコいいワゴンは健在! アウディの新型「A5 Avant」は流麗なデザインと広々ラゲッジでアウディらしさを継承する -
第584回
自動車
「VEZEL e:HEV RS」は後出しズルい! と言いたくなるほどイイクルマだった -
第583回
自動車
採点方式が激変の2025年「日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終決戦! 10ベストカー試乗会レポ -
第582回
自動車
BMW「X2 M35i」はカジュアルさとBMWらしさが高次元にバランスした日本にピッタリなSUV -
第581回
自動車
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」はオトナになったボーイズたちに勧めたいぜいたくな1台 -
第580回
自動車
プジョーの新SUV「3008」はデザインでの購入者が大半! リゾートホテルのような内装とクーペフォルムが牽引する -
第579回
自動車
新型「プレリュード」は今のHondaを凝縮したハイブリッドスポーツの前奏曲だ! -
第578回
自動車
クラウン・エステートで車中泊体験! 「おもてなし」シートで過ごすぜいたくなドライブ体験 - この連載の一覧へ





















