仕事だけでなくクリエイターに向けたWindowsを目指す
Windows 11には、3つのポイントがあるとする。
ひとつめは、パーソナルコンピューティングには選択肢が必要であり、それを提供することができるという点だ。「OSやデバイスは、私たちのニーズに合わせるべきものである。それぞれの人が、すべてのデバイスで、望む人や望むコンテンツ、望むアプリケーションと、より簡単につながることができるようにしている」とする。
2つめは、Windows 11が、インスピレーションを生かすことができる創造の舞台になることだという。「消費と創造のバランスが変化し、創造することに大きな変化が生まれている。コンテンツを制作する力を支援し、創作意欲を刺激したいと考えている。そのために、まったく新しいユーザーエクスペリエンスを導入し、生産性の向上を支援することができる。新世代のWindowsは、コンテンツの好循環のサイクルを促進することになる」と語る。
そして、3つめが「Windowsは単なるOSではなく、クリエイターのためのプラットフォームである」ということだ。ナデラ会長兼CEOは、Windows 11では、「次の変革をもたらすソフトウェアカテゴリーを実現するために、オープンなブラットフォームの上で、幅広いデザインスペースを提供し、人々が自分のビジネスやコミュニティを構築できるようにする。そして、新たなストアコマースモデルとポリシーを導入し、パブリッシャーのために新しい機会を作り、AndroidアプリとWindowsで、さらに多くのアプリをサポートしていくことになる」と述べた。
Windows 10は最後ではなかった
これまでマイクロソフトでは、Windows 10が最後のバージョンになるといってきた。
だが、その発言を覆すように、今回、Windows 11という新たなバージョンへと進化させた。その理由は、米マイクロソフトのチーフ・プロダクト・オフィサーのパノス・パネイ氏の発言から推測できる。
パネイチーフ・プロダクト・オフィサーは、「Windowsは35年もの間、私たちの生活の一部となってきた。現時点で 10 億人以上の人々が利用している。多くの人にとって、初めてメールを書いたのも、初めてPCゲームをプレイしたのも、初めてプログラムのコードを書いたのも Windowsである。Windowsは、人々が創造し、つながり、学習し、達成するための場所である」と前置きし、以下のように語る。
パネイ 「だが、この18ヵ月の間に、PCの使い方は驚くほど変化した。会議や授業、仕事をこなすためだけでなく、友人とゲームをしたり、お気に入りの番組を見たり、そしておそらく最も重要な点としては、お互いがつながるためのツールになったことがあげられる。そのなかで、私たちは、オフィスでの会話、廊下での雑談、ワークアウト、ハッピーアワー、休日のお祝いなどを、デジタルの世界で再現した。だが、これは、PCを自分の生活に合わせるのではなく、生活全体をPCに合わせることであった。
Windows は単なるOS以上の存在であり、私たちの生活や仕事に深く織り込まれた、人とつながる場所である。そして、PCは、より機能的で、実用的でなくてはいけない。いままで以上に、人と人とのつながりを大切にしなければならないことに加えて、最も重要なことは、感情を感じられるものでなくてはいけないということである。学び、働き、遊ぶための慣れ親しんだ場所を、新しい方法でつないで、つくることが、マイクロソフトが、次世代の Windowsを構築していく上でのインスピレーションになった。マイクロソフトは、それを理解し、その責任の重さを知っている。Windows 11は、生活や仕事のなかに織り込まれている布と同じにならなくてはいけないと考えている」
コロナ禍において、環境は一変した。その変化のなかで、Windowsは、重要な役割を果たしたのは確かだ。だが、それはこれまでの生活を代替するための活用が多かった。対面であえなくなった環境において、コラボレーションツールを使って、デジタルで人とつながるというのはその最たる例だ。
そこから一歩踏み込み、新たな時代において、新たな生活を支える基盤になることを目指すOSとして、これまでとは異なる考え方とコンセプトを持って開発されたのが、Windows 11であるというわけだ。
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