Windows 11は新しい時代を切り拓くOSなのか、Windows 10の延長なのか
その基本方針をベースに考えるのならば、Windows 11へとバージョンアップしたことも理解しやすい。
だが、残念ながら、現時点での説明では、Windows 11が、これまでの発言を翻してバージョンアップをしたほどの進化が見られないのも確かだ。どうしても、Windows 10の進化という領域を出ていないように感じられる。
新たなデザインを採用したユーザーインターフェースや、パーソナル化できる部分を増やしたり、つながりやすくしたりといった新たな機能は、それぞれには評価できるものの、ナデラ会長兼CEOが語るように「新しい時代のWindowsの最初のバージョン」というには、やや迫力に欠ける。
いまのままでは、むしろ、しばらくはWindows 10を使っていてもいいというユーザーを生み出し、時代が変化する前のOSが主流のまま生き残ることになる。
Windows 11が、ナデラ会長兼CEOが位置づける「次の10年とその先のために構築したOS」であるのならば、それを示すことができる片鱗を、なるべく早い段階で見せてほしい。
この連載の記事
-
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう - この連載の一覧へ