サバイバルホラーの秀作というべき出来

『バイオハザード ヴィレッジ』クリア後レビュー、一人称視点で描く没入感高めのストーリーとアクションに圧倒!

2021年06月18日 16時00分更新

文● イチえもん ●編集 ASCII

 カプコンが贈る人気シリーズ『バイオハザード』の最新作、『バイオハザード ヴィレッジ』。ナンバリングとしては第8作に相当するが、副題は「ヴィレッジ」を採用している。本作は『バイオハザード7 レジデント イービル』(以下、バイオハザード7)の正統的な続編で、主人公のイーサン・ウィンターズがさらわれた娘を取り戻すべく、恐るべき敵が蔓延る"村"へ赴くストーリーを描いている。

 バイオハザードファンを自称する私は、5月8日のリリース後、休みを使ってコツコツと本作をプレイ。途中ゲームができない日も続いたが、6月上旬にやっとの思いで本作をクリアすることに成功した。そこで、本記事ではバイオハザード ヴィレッジのクリア後レビューをお届けしたい。

一人称視点による圧倒的な没入体験

 これまでのバイオハザードシリーズは三人称視点、つまり「TPS(サードパーソン・シューター)」が主流だった。主人公の姿を客観的に見ながらステージを攻略する三人称視点(TPS)に対して、バイオハザード ヴィレッジは、前作のバイオハザード7と同じく一人称視点を採用。「FPS(ファーストパーソン・シューター)」と呼ばれるもので、こちらは主人公の視点でステージを攻略する。この一人称視点が、本作の面白さを際立たせる要因となっているのだ。

本作は全編ほぼ一人称視点で展開する。主人公視点で進行するため、ノーカットでストーリーに没入できる

 一人称視点の最大のメリットは、没入感の高さにある。プレイヤーの視点と主人公の視点をリンクさせることで、迫りくる恐怖とスリルを自分の視点で疑似体験できるのだ。

 本作における一人称視点を活かした演出は、前作以上のクオリティーであると感じた。冒頭の場面(詳しくは本編をプレイしてほしい)もそうだが、村を一望する場面、ドミトレスク夫人が登場する場面など見応えのあるものが多く、視線を背く隙を与えない。それぐらいに本作の没入度は高かった。そのうえ迫りくる恐怖も圧倒的で、恥ずかしながら何度も悲鳴を上げた気がする。

映画の主人公になりきるという疑似体験が楽しめる

迫ってくるトラップ! アトラクションの要素も強く、終始興奮しっぱなしだった

間近に迫ってくる敵。平気平気と高を括っていたが、さすがにこれは悲鳴を上げずにはいられなかった

 前作のバイオハザード7はVRによる体験を意識していたこともあり、激しい場面は控えめだった気がする。だが、バイオハザード ヴィレッジはVRでプレイしたら間違いなく酔いを誘発するような、激しい演出が盛りだくさん。まるで遊園地のアトラクションを体験しているかのような感覚だ。個人的にはVRで体験してみたいと思う瞬間も多くあった。

 本作をプレイしてみて、人知を超越した敵の存在と容赦ないグロ描写、そして恐怖心を煽る演出も印象に残っている。スプラッター系ホラー映画に近いだろう。確かにバイオハザード7もノリはスプラッター系ホラー映画に近いものの、どちらかというと一歩踏み出すたびに恐怖が増す和製ホラー映画だと思われる。VRの強みを最大限発揮させたいという意図があったのかもしれない。

 また、スプラッター系ホラー映画というように、本作のグロ描写はバイオハザードシリーズの中で最も強烈だった。一言で表わすと、怖くて痛い。

 今回はZ指定(18歳以上対象)の「Z version」でプレイしたが、とにかく痛々しく、バイオハザード経験者の私ですら思わず目を背けてしまった。従来のバイオハザードシリーズは個人的に平気だったのだが……(個人差あり)。バイオハザードシリーズは好きだけどグロ描写への耐性が低い人は、D指定になっているノーマル版をオススメする。

この記事をシェアしよう

ASCII.jpの最新情報を購読しよう

この連載の記事