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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第141回

アップル新型「iMac」に驚かされたがミニLED版も期待してしまう #AppleEvent

2021年04月21日 14時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●デザイン、映像、音を司るM1

 ブラウン管時代のiMacのように中央が盛り上がっている意匠はかわいらしかったのですが、そのふくらみもなくなり、シンプルを極めた直線になりました。

 さらに驚かされるのが4.46kgという軽さです。あまり推奨されないかも知れませんが、家の中でも、普段はデスクで使っていて、リビングルームに持って行ったり、キッチンに置いてみたり、家の中でも色々持ち運んで楽しめそうです。

 そのデザインを実現できた理由こそ、今回最大のニュースであるApple Silicon、M1へのチップ変更でした。ロジックボードが小さくなり、またサーマルデザイン(熱設計)もより小型化することができたため、今まで画面の後ろに入り込んでいたコンピュータの心臓部が、ディスプレーの下に設けた「あご」の部分で完結。こうして一定の薄さで実装できたというわけです。

 そのあごには、大きな音でも振動を打ち消し合うフォースキャンセリングウーハーを備える6スピーカーシステムが内蔵され、空間オーディオにも単体で対応できる実力を備えます。AirPods Proのような頭の動きとの連動はありませんが、映画を観ているときに後ろから回り込んでくるようなサラウンドが楽しめます。

 カメラは1080pへとアップグレードされ、マイクもビームフォーミングを持つ3つのマイクシステムとなりました。音声の再生、録音、映像の録画に至るまで、大幅な品質向上が期待でき、これらはM1の処理性能を生かした結果と位置づけることができます。

 21.5インチiMacに比べて、処理性能85%アップ、グラフィックス性能は最大200%向上。しかも機械学習コアも入ってきました。

 アップルはApple SiliconのMacについて、クロック周波数やバージョンの違いなどを示すことなく、M1はM1としてiPad Proに採用しています。これらのチップは同じものだそうです。

 しかし熱設計が違うため、MacBook AirやMacBook ProのM1モデルよりも、高負荷時の性能持続時間などで、iMacは優位性を示すことになるでしょう。電源も異なるため、ベンチマークとして差があらわれるかは、実機を待つ必要があります。

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