あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第104回
Honda eのドラッグレース仕様「e-DRAG」とN-ONE RSのヒルクライム仕様「K-CLIMB」に衝撃!
2021年04月19日 15時00分更新
峠を猛スピードで駆け上がれ!
ヒルクライム仕様の「K-CLIMB」
続く1台はN-ONE RS(MTモデル)をベースとしたヒルクライム仕様「K-CLIMB」。こちらもまた「サーキット走行って面白くないじゃないですか。やっぱり峠など一般道が楽しいですよね」と、担当された方は、いきなりストリートファイター気質であることを告白。「ですので、N-ONE RSでヒルクライムレースの参戦を目標に開発しました」とのことですが、このクルマはいわゆる峠で走って楽しい1台を目指していると言ってもよいかもしれません。
置き場所の都合、リアから見始めた筆者。まず心がときめいたのは、バンパーとHKS製マフラーエンドの位置。カーボン製バンパーからチラリと見えるHKSのロゴが実にカッコイイではありませんか。「実はこだわったんですよ」という担当者もニヤニヤ。試しにエンジンをかけてもらったのですが、この音が大変によろしい! ワンオフ物だそうですが、このまま売り物になるのでは? 筆者があまりにマフラーを褒めるものですから、同席した広報さんから「あまり他社の事は……」とクギを刺されてしまったのですが「HKSはいい音のエンブレム」という事だけ言わせてください。
カーボンバンパーの形状は純正を踏襲。センサー類の位置もそのままです。「ここら辺は動かすことができないですから、どうしてもデザイン上の制約がありますね」とのこと。ですがマフラーテールエンド上には空気抜けのメッシュが設けられており、ここがコダワリのポイント。「もちろんディフューザーも検討しましたが、空力的にここから空気を逃がした方がいいのでは? と考えました。実際に色々試してベストな方法を模索したいですね」だとか。
続いてリアで目を惹いたのは大きなウイング。まるでWRカーのようです。ですがこちらはカーボン製ではない模様。「床面の空力が決まってから、ウイングの形状が決まりますので、これは完全に試作です。ですが、ハッチを開けて当たらないようにするなど、使い勝手の面は忘れていません」とのこと。「強度的に中央にステーを設けたいのですが、カメラがあったりするので……」とここも検討課題の様子。
そのままサイドに回ると、前後のオーバーフェンダーとサイドステップに目が行きます。オーバーフェンダーは素材や形状から、SUVのような力強さを覚えます。でも取り付けたら軽自動車規格にならないのでは? と思いきや「もう少し出している量を減らせば、軽自動車規格のまま行けますよ」とのこと。このアイテムは欲しいかも! サイドスカートはN-ONE Modulo Xの部品をそのまま取り付けたそうで、実はホイールも同じくN-ONE Modulo Xのもの。Moduloのホイールといえば、S660専用設計のMR-R01が素晴らしく良いので、専用品を作ってほしいところ。「もし機会があれば、ぜひ手掛けたいですね」と担当者も乗り気でした。
圧巻はフロント回り。カーボン製フロントバンパーは、やや大人しいN-ONEとはうってかわり、実に挑発的なデザインではありませんか。「実はCITYターボⅡブルドッグを意識したんですよ」というからテンションが上がるのは筆者だけではないハズ! これ、今すぐ売りましょうよ。そしてカーボンボンネットも言われてみるとブルドッグのように盛り上がっているようにも。裏側を見ると、きちんと補強が入っていて、これまたスグにでも販売できるようなクオリティの高さ。心あるN-ONEオーナーは絶対に買いますよコレは。
外装に目がいきがちですが、足にも手が加えられています。ホンダアクセスからは、N-ONE RS用としてModuloスポーツサスペンションが出ていますが、ここで使われているのはHKSのワンオフ車高調。ヘルパースプリングが入っていること、そしてレースを意識しての開発とのことですから、おそらくSPグレードの硬めの足だと思われます。車高調により30mmローダウンしているとのこと。おそらくHonda eのドラッグレース仕様と同様、HKSの足を知り、そこから次の製品開発に結び付かれるのでは? と期待してしまいます。
室内はドンガラではなく、実用性を担保。ですがロールゲージを入れて、レース参戦OKというのは、どこかナンバー付きのレースであるN-ONE OWNER'S CUPの車両を思い出させます。N-ONEのロールバーというと、無限(M-TEC)がN-ONE OWNER'S CUP用に販売していますが、取り付け位置の関係から流用は叶わないそうでワンオフ物。実際に乗り降りしてみましたが、身長185cmの筆者でもラクに乗降できました。運転席側のドリンクホルダーが使えなくなってしまう点は残念ですが、これまた需要はあるパーツだと思うのですが……。
そして後席には、4点シートベルト用のアンカーが設けられていました。これまた専用設計品とのこと。見ればみるほど「すぐに売れるのでは?」と思える完成度と内容です。確かにこのクルマで峠を走ったら、楽しいこと間違いナシ! 思えばシビック・タイプRは昨年に、S660は2022年3月で生産終了しますから、HondaのMT車は事実上N-ONE RSのみとなってしまいました。N-VANのNA仕様にMT設定はありますが、スポーツ走行ができるクルマかというと、ちょっと違いますからね。
そう考えると、このN-ONE RSのヒルクライム仕様を、今すぐにでもN-ONE RS Modulo Xとして販売してもいいのでは? と願わずにはいられないところ。S660 Modulo Xが300万円強ですから、そのあたりの価格でしたら、需要があるように思えます。「S660は実用性が……でもMTで走りたい。願わくはModulo Xで」とS660 Modulo Xを諦めた人は多いハズで、そういう方に喝采をもって受け入れられそうです。
何より今後、環境問題の面などから、HondaからMT搭載の純ガソリンエンジン車が出るかは未知数。N-ONE RS Modulo Xを実際に開発しているのかどうかは不明ですが、もし開発されていないのでしたら、今すぐにもこのコンセプトカーをベースとして開発し、2030年のガソリンエンジン販売終了時まで売り続けてほしい! 無責任に何を言っているんだと怒られるかもしれませんが、S660およびS660 Modulo Xの終了が決まった今こそ、多くのボーイズレーサーはN-ONE RSに期待しているのでは? それほど販売台数が見込めるクルマではないでしょうけれど、火傷するほど熱いクルマ好き社員のいるホンダアクセスなら、この気持ちわかってくれるハズ!
コロナ禍のため、イベントが少なくなり、ユーザーの想いや願いをメーカーに伝える手段は少なくなりました。これらの車両は4月20日~5月17日(5月1日~5月9日休館)まで、本田技研工業のショールームである、Hondaウエルカムプラザ青山で展示するとのこと。これらのクルマの完成度の高さをぜひチェックしてもらいたいですし、そして近くにいるであろう説明員の方に、販売への想いを伝えませんか? きっと説明員の方も、多くのクルマ好きの意見や感想を待っていることでしょう。
話はかなり逸れてしまいましたが、そんなことを思うほどこの2台のコンセプトは「永遠のボーイズレーサー」のツボをグリグリすること間違いナシ。ホンダアクセスさん、これからも期待しています!

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