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「INNOVATION LEAGUE コンテスト」の受賞者がスポーツ庁に集結

スポーツの可能性拡大を 先鋭4社が室伏長官とガッツリ約束

2021年03月23日 11時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP 撮影●曽根田元

提供: SPORTS TECH TOKYO

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 2021年3月9日、「INNOVATION LEAGUE」のコンテスト部門で受賞した企業・団体の代表者がスポーツ庁に集まり、室伏広治スポーツ庁長官と熱い議論を交わした。

 「INNOVATION LEAGUE」は、スポーツ庁が「SPORTS TECH TOKYO」と共同で実施しているプロジェクト。アクセラレーションとコンテストからなり、スポーツとテクノロジーを組み合わせることで、新しいアイデアの創出やスポーツビジネスの拡張を目指す取り組みだ。

 2021年2月26日には、「INNOVATION LEAGUE デモデイ」にてアクセラレーションプログラムの成果を発表、あわせてコンテストの表彰式を実施した。「no new folk studio」(以下、nnf)と「アシックス」(共同でイノベーションリーグ大賞を受賞)、「シンク」(ソーシャル・インパクト賞)、「ookami」(アクティベーション賞)、「一般社団法人スポーツを止めるな」(パイオニア賞)の4社が受賞した。

 昨今のコロナ禍で、大きな影響を受けているスポーツ界。さまざまな課題への対応が求められているなかで、今回表彰された4社の取り組みは、スポーツビジネスの拡張を促進するだけでなく、課題解決にも貢献する可能性を秘めている。

 訪庁した各社代表者は、新型コロナ対策のため企業ごとに分かれて入室。室伏長官に改めて取り組み内容を説明するとともに、今後の展望などについて話し合った。

 「イノベーションリーグ大賞」のnnf・菊川裕也氏、アシックス・原野健一氏との会談では、両社が共同開発したスマートシューズ『EVORIDE ORPHE(エボライド オルフェ)』を室伏長官が試し履きするシーンも。現在はランナー向けとなっているが、今後は他競技への応用も視野に入れている。取得データを活用することでアスリートのパフォーマンス向上にも期待できるため、元アスリートでもある室伏長官の期待も高い。

 ソーシャル・インパクト賞に選ばれた「シンク」の「防災スポーツ」は、スポーツを防災訓練に活用し、楽しみながら防災対策ができるという、スポーツの力で社会課題を解決しようという注目の取り組み。今回の訪庁では代表の篠田大輔氏が取り組みの内容を説明するとともに、今後の事業展望を室伏長官に語った。

 アクティベーション賞の「ookami」は、受賞対象となったオンライン観戦プラットフォーム「Player!」を室伏長官に紹介。「Player!」は試合配信だけでなく、デジタルマーケティングや広報をサポートする機能も備えており、メジャー、マイナー問わず多くのスポーツチームから注目されているサービスだ。また、同社は元アスリートの為末大氏も出資している企業。代表の尾形太陽氏は、室伏長官のことを為末氏からたびたび聞いていたとのことで、今回の対面で年願成就となったという。

 学生アスリートを支援する「一般社団法人スポーツを止めるな」は、ラグビー日本代表だった野澤武史理事の下、多くのアスリートが賛同している活動。コロナ禍の影響でプレー機会を失った選手の支援や、トップアスリートによる教育プログラムを提供するなど、未来のスポーツ界を担う若い世代をサポートしている。元トップアスリートである室伏長官の共感も強く、活発な意見交換が行なわれた。将来の日本のスポーツ界を左右する活動でもあるため、官民一体となってのサポートが不可欠だ。

 今回訪庁した4社は、スマートシューズ、防災、試合配信、学生アスリート支援と、一見ばらばらの活動に見えるが、いずれも根底には「スポーツの可能性を拡大する」という強い柱がある。そのため、例えば防災スポーツの「シンク」と「スポーツを止めるな」がタッグを組む、スマートシューズのデータを活用したオンライン試合配信など、受賞企業同士のコラボレーションも楽しみだ。もちろん、スポーツ庁をはじめとする行政機関のサポートも必要となるので、室伏長官の応援も期待したい。

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