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「INNOVATION LEAGUE 2024」DEMO DAY レポート

共創、テクノロジーの導入でスポーツ事業を拡張

2024年04月10日 06時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP 撮影●曽根田元

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 2024年2月29日、東京ミッドタウン日比谷で「SPORTS INNOVATION STUDIO」のデモデイが行われた。

「SPORTS INNOVATION STUDIO」は、スポーツ庁が「Scrum Studio(スクラムスタジオ)」と共同で実施するプログラム。スポーツ界のリソースと他産業の知見や技術を連携させ、新しいサービスを創出することを目的としている。

 今回のデモデイでは、企業やスポーツ団体との共同で事業共創を行なう「オープンイノベーション」の成果発表と、スポーツにおける優れた取り組みを表彰する「コンテスト」の授賞者の発表が行なわれた。

業界や団体の課題を解決する新しい事業

「オープンイノベーション」は、採択企業が企業やスポーツ団体との共同で新しい事業の創生に取り組むという内容だ。今回は「日本フットサルトップリーグ」(以降「Fリーグ」)と、「日本自動車連盟」(以降「JAF」)がコラボレーションパートナーとなり、計8つの企業と団体(「Fリーグ」4社、「JAF」4社)がテクノロジーやビジネスアイデアの実証をした。

 オリジナルサービスやチャットボットの開発を行なう「and.d」では、Fリーグの課題である人材不足を解決することを目的とする「AI観戦アシスタントボット」を開発した。実証実験では、7万を超えるインプレッションがあり、ポジティブな声も多かったとのこと。同社の深澤大気代表は「ファンのエンゲージメント向上につながる可能性が見えた」と手応えを述べた。

 スポーツ専門職の人材育成や事業運営を行なう「Ascenders」は、Fリーグの理解を深め、新規ファン獲得を目的とするオリジナル映像コンテンツの企画と製作を提案。フットサルのトライアウトに挑むドキュメンタリー映像を作成し、Fリーグの通常コンテンツの約100倍の13万再生を記録した。池井大貴CMOは「熱心なファンにも響くコンテンツになったのではないか。今後は観客動員につながるコンテンツ、関心を深めるコンテンツを展開したい」と語った。

「One Smile Foundation」は、笑顔検知テクノロジーを用い、「スポーツが生み出す笑顔を寄付に変える社会貢献プロジェクト」の実装に挑戦。観客の笑顔を撮影した映像に広告を映し出し、その広告費をリーグに分配したり、寄付を社会支援に充てたりする。今回は、まずは認知拡大として、オールスターの選手投票を来場者のスマイルで行うという実験を実施。3月19日のオールスター戦で本格的な実験を実施した。

 4社目は「SOLTILO Knows」。Fリーグが課題とする「データ取得」、「データ活用」の2つを解決する手段として、運動を数値化するウエアラブルセンサーを装着したスーツの導入と、取得データを活用したフットサルの観戦体験価値の向上を提案。8チームで同スーツを導入し、トレーニングや試合で着用した結果、効果的なトレーニングを行うことに貢献することに成功した。本取り組みも3月19日のオールスター戦で本格的な実証実験を行なうとしている。

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