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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第135回

アップルは2021年のイベントで何を発表するのか

2021年03月12日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●iMacとともに、問題解決が必要なディスプレー

 アップルは丸みを帯びたデザインから、側面が垂直に立ち上がる、よりシンプルな造型へと移行しています。2018年のiPad Proに始まり、2020年にiPad Air、そしてiPhone 12シリーズを移行させました。MacBook ProやiMacがApple Siliconへ移行するタイミングで、新しいデザインに移行することに期待がかかります。

 2021年3月8日、iMac Proが在庫限りで販売終了となることがアナウンスされました。2017年に登場し、Mac Proに次ぐ性能を維持してきたXeon搭載のオールインワンデスクトップで、一体型Macとしていち早くT2チップを搭載し、ProモデルではないiMac 27インチにT2チップが搭載されるのは、2020年夏まで待たなければなりませんでした。

 そのモデルが販売終了となる意味は、2つ考えられます。

 1つは、iMacのApple Silicon移行が近いこと。iMac ProのGeekbench 5スコアはシングルコア1100前後、マルチコア9500前後で、前述のM1のスコアからはまだ開きがあります。iMacがApple Silicon搭載で刷新される場合、iMac Proのスコアを明確に上回ることが期待されます。

 もう1つはディスプレー。これはiMacだけでなく、iPad Pro、MacBook Proにも共通する課題であることは、過去に触れた通りです。iPhoneをすべて有機EL化し、HDRビデオ撮影に対応させましたが、iPhoneで撮影したビデオを編集するマシンがHDR表示に対応しない点は、解決しなければならない問題といえます。

 その他にも、意外にも年数が経過しているAirPodsシリーズや、Apple TVなど、2021年に刷新すべき製品は盛りだくさん。アップルは2021年第1四半期(2020年10〜12月)に1100億ドルを超える売上高に到達しており、2021年のホリデーシーズンも意識せざるを得ない数字となり、アップルがどのようにしてこの数字に迫っていくのかにも注目です。

 

筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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