このページの本文へ

松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第135回

アップルは2021年のイベントで何を発表するのか

2021年03月12日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

●スペシャルイベント?

 アップルは例年、3月のスペシャルイベント、6月の世界開発者会議(WWDC)、9月のスペシャルイベント、10月のスペシャルイベントを計画し、これとは別に4〜5月、そして11月のタイミングで新製品を投入してきました。

 各四半期ごとに新製品が出るようにしながらも、アジア圏の新学期、米国の新学期、そして最も売上高が高まる欧米のホリデーシーズンに製品が手元に届くよう時期を調整しているマーケティング的な側面も色濃く現れています。

 しかし2020年は、新型コロナウイルスの影響でリアルイベントが開催できなくなったこと、また製品の製造や検査などに影響が出ていることなどもあり、製品投入のタイミングはややばらけました。

 3月には確かに新製品が登場しましたが、iPad Proの刷新、MacBook Airの更新と、中途半端なものとなりました。4月にiPhone SE(第2世代)が登場、5月にはMacBook Pro 13インチモデルが刷新され、8月にはiMacの刷新がありました。

 一方、6月のWWDCではMacをApple Siliconに移行させる発表があり、これは2020年内に発表することがアナウンスされました。

 9月のスペシャルイベントは例年iPhoneの刷新が話題の中心ですが、2020年9月はiPad、iPad Air、そしてApple Watchの刷新となりました。iPhoneは10月も開催されたスペシャルイベントで、HomePod miniとともに登場。

 さらに11月にもスペシャルイベントを開催し、Apple Siliconを搭載するMacが3モデル登場しました。そしてAirPods Maxが年内に投入されました。

 こうして見ると、2020年はかねてから、すべてのラインアップを刷新する計画を立てており、例年通りのスペシャルイベントですべてを発表しきるのはそもそも難しかったことが伺えます。

 2時間のスペシャルイベントに5つも6つも新製品を詰め込むよりは、1時間ずつ、2つ程度の新製品を発表できるように、オンラインのスペシャルイベントを複数回開催した方が効果的でした。

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII.jp RSS2.0 配信中