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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第131回

心電図対応のApple Watch、データの預け先としての魅力

2021年02月10日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●一方で、心電図を省いたSEも…

 Apple Watchは2015年に登場したデバイスで、アップルの歴史の中でも、人々のライフスタイルの中でも新しい部類の製品です。そのため、どのような使われ方をするかについて、引き続き探求を続けるフェイズと位置づけることができます。

 一方、Apple Watchの上位モデルの高機能化で、併売を続ける初代デザインのApple Watch Series 3との性能差は拡大する一方でした。そこで投入されたのがApple Watch SE。Series 6とSeries 3の中間に当たる価格設定ながら、Apple Watch Series 5と同じS5チップと、44mm、40mmの新デザインを採用しました。

 しかしSEは心電図と血中酸素濃度の2つのセンサーを搭載せず、計測することはできません。その分価格をぐっと引き下げており、Nikeモデルも用意され、より身近な存在となりました。

 Apple Watchの上位モデルが健康機能に特化していく一方、まだそういうことを気にしていない世代のユーザーに、低価格で製品を提供する。そうしてApple Watchユーザーの裾野を広げようという戦略が、ウェアラブル部門に良い影響を与えている様子が決算にもあらわれていると言えます。

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