使ってみようSlack入門 ~使い倒して業務効率アップ! 第14回
チャンネル数が増えても混乱しないように整理するための基本ルール
効率的なコミュニケーションができるSlackチャンネル名の付け方
2021年01月12日 08時00分更新
読者の皆さんは、Slackのチャンネル名をどのように付けているだろうか。小規模なチームで、チャンネル数も数個程度で運用しているならば、適当に名前を付けていてもなんとかなるだろう。しかし、ある程度の人数で利用する場合、Slackを使い込んでいくうちにチャンネル数は自然に増えていく。Slackでは、ユーザーの必要に応じてチャンネルを自由に作成できるからだ。
だが、とくにルールを設けずそれぞれのメンバーが思い思いにチャンネル名を付けていくと、やがて混乱の原因となる。既存のチャンネルの存在に気づかず、同じ目的や内容のチャンネルが重複してしまったり、本来参加すべきメンバーが参加しなかったりといったトラブルが起こる。社内の情報共有がうまくいかなくなる原因にもなりかねない。
Slackにおけるチャンネル名の付け方に“絶対的な正解”はない。ただし、混乱を防ぐためにはいくつか知っておきたいこともある。今回は、オススメのチャンネル命名ルールを紹介していこう。
組織やプロジェクトの「プレフィックス(接頭語)」を活用して整理する
会社組織でSlackを導入する場合、まず最初は細分化しすぎず、組織(部門や部署など)ごとにチャンネルを作るのがよいだろう。たとえば「#営業」「#マーケティング」「#東京本社」「#大阪支社」といった具合だ。会社全体に通知するための「#全社アナウンスメント」チャンネルも必要かもしれない。
チャンネル名をタイピングするうえではアルファベットのチャンネル名が便利だが、社員全体のわかりやすさを優先して日本語チャンネル名でもよい。もちろん、英語と日本語を混ぜたチャンネル名も付けることができる。
やり取りされるメッセージが増え、テーマやプロジェクトに応じてチャンネルを分けたほうがよいと感じる段階になったら、たとえば「#営業-CRM」「#東京本社-部活動申請」といった具合にチャンネルを追加していく。ちなみに、チャンネル名に使える文字数は最大80文字だが、あまり長いチャンネル名だと画面表示しきれず読みにくい。チャンネルの内容がわかる範囲でコンパクトな長さに収めよう。
また、複数部署が関係するプロジェクト用のチャンネルは「#プロジェクト-○○」(略記して「#proj-○○」や「#pj-○○」とすることも多い)などの名前でまとめるのがよいだろう。
上記例ではチャンネル名を「#営業-○○」や「#東京本社-○○」といった形にしているが、これは「プレフィックス(接頭語)」という仕組みだ。Slackのサイドバーに表示されるチャンネル一覧は、初期設定ではアルファベット順(日本語の場合は文字コード順)に表示されるようになっている。そのため、こうした接頭語を付けることで、チャンネルの並びが部署ごとなどにわかりやすく整理される。
プレフィックスの利用を促すために、チャンネルの新規作成画面ではあらかじめ設定されたプレフィックスが表示される。デフォルトでは「#help-」「#proj-」「#team-」というプレフィックスが登録されているが、ワークスペース管理者ならばこれを変更、追加できる。
たとえば管理者が「#営業-」というプレフィックスを用意し、営業部メンバーはこのプレフィックスの下で自由にチャンネルを作ってよい――というルールにしておけば、チャンネル数が増えても混乱は少ないだろう。あらかじめ管理者が用意できるプレフィックスの数は、フリー(無料)プランで最大6個、有料プランではいずれも最大99個となっている。
プレフィックスだけでなく、各部署共通のテーマでは「サフィックス(接尾語)」のルールを設けてもよいだろう。たとえば、部署内全員への連絡事項チャンネルは「#○○-連絡」、業務報告チャンネルは「#○○-日報」に統一する、といった具合だ。こちらはチャンネル一覧の表示順には関係しないが、同じテーマなのに各部署で名前がバラバラだとわかりづらいからだ。
チャンネル一覧の並べ替えには「数字」が使える
リモートワーク/在宅勤務が増えると、社内コミュニケーションの量も質も落ちるという意見がある。これは、オフィス内で自然発生する雑談がなくなってしまうことが大きいようだ。そこで、Slack上に“雑談専用”のチャンネルを用意する企業も多い。
単に「#雑談」としてもよいが、ひとくちに雑談と言ってもいろいろな内容がある。雑談の内容によってさらにチャンネルを分けるのも面白いだろう。もちろん、その場合も「#雑談-○○」という形でプレフィックスを付けておけば、チャンネル一覧が整理されて見やすいはずだ。
ただし、業務に直接関係のない雑談用チャンネルが、一覧の中ほどに位置してしまうのはあまりうれしくないかもしれない。前述のとおり、チャンネル一覧はアルファベット順(文字コード順)に表示されるため、たとえば「#営業-○○」→「#雑談-○○」→「#全社-○○」といった並び順になってしまう。
重要なチャンネルを一番上に、重要ではない雑談チャンネルを一番下に、と一覧の並び順をカスタマイズしたい場合には、プレフィックスの先頭に数字を加える技が使える。たとえば上述したチャンネルの場合、それぞれ「#00_全社-○○」「#10_営業-○○」「#90_雑談-○○」と名前を変更すれば並び順を整理できるわけだ。
なお、先頭に付ける数字は最低でも2ケタにして、数字の間に少し余裕を持たせておいたほうがよい。将来的にチャンネル数が増え、既存のチャンネルの間に並べたいときに、空いた数字がなければすべての数字をずらしていかなければならないからだ。
また筆者の知るある企業では、単に並べ替えのためだけでなく、数字に「意味」を持たせているという。たとえば10番台のチャンネルは全員参加、20番台のチャンネルは部長以上が参加、30番台のチャンネルは任意参加――といった具合だ。アイデア次第でさまざまに使える。
全社的に周知し、行動を促したい場合に、期間限定の一時的なチャンネルを作成するという技もある。たとえば全社員に健康診断を受けてもらいたい場合、「#全社-健康診断2021年4月」といったチャンネルを作成して全社員に参加してもらう。健康診断に関する詳しいお知らせや、なかなか受診してくれない人への呼びかけはこのチャンネルに書き込めばよいし、受診が完了した人からチャンネルを退出するルールにすれば、未受診の残り人数も一目でわかる。全員の受診が済んだら、チャンネルをそのまま削除(アーカイブ)してしまえばよい。
ユーザーがいつでも自由にチャンネルを作れるのがSlackの便利な点だが、だからこそチャンネル名については最低限のルールを決めて、使いにくい環境にならないよう整理していくことをオススメする。また、チャンネルの命名ルールが決まったら、きちんとドキュメント化して社内全員がいつでも見られるよう共有するのも忘れないようにしよう。
また新規チャンネルを作成する際にはチャンネルの「説明」を、作成後には「トピック」を、それぞれ記入することも習慣化しよう。「説明」はチャンネル検索時に、また「トピック」は画面のチャンネル名直下に表示される説明文だ。それぞれ「何のためのチャンネルなのか」を一言記入するだけで、後から参加する人にも目的がわかりやすくなり、チャンネルでのやり取りがより活性化されるだろう。
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