総務省は23日、「デジタル変革時代の電波政策懇談会(第2回)」を開催。そこに提出された資料において、楽天モバイルはプラチナバンド再配分の検討など、新規参入事業者にとって“機会平等”が実現される周波数割当の仕組みを求めた。
“競争上必要不可欠”な「プラチナバンド」
楽天モバイルは再配分の検討を求める
「デジタル変革時代の電波政策懇談会」は、国民全体にとって有限希少な電波を有効に利用するために、電波政策上の課題や新たな目標設定などを検討する会議として、今年11月から開催し、来夏をめどに内容の取りまとめを実施する予定となっている。
第2回の会議では、携帯電話事業者にすでに割り当てられている周波数帯の利用状況の評価や各事業者へのヒアリング、外国での動向などが議題となったが、楽天モバイルは新規参入事業者にとって「機会平等が実現していない状況」として、今後の周波数割当における要望を出している。
その要望の前提となる現状についての同社の説明は、大きく2点にまとめられる。電波が飛びやすく「カバレッジを作るのに必須」と同社が主張する周波数(プラチナバンド)がすでに既存3事業者に割当済みであるのとともに、これらの周波数は再免許により同一事業者が利用し続けており、新規参入事業者には割当の機会がない点。また新規の周波数割当においても、MHzあたりの契約者数が指標になっており、当然これはすでに契約者数を多く獲得している既存事業者に有利となる条件だという点だ。
同社では、この現状に対しての「機会の平等」の実現を求めており、競争上必要不可欠なプラチナバンドの再配分の検討、MHzあたりの契約者数だけではなく「利用データ量」への着目、政府の政策目標に沿った取り組みに積極的な事業者への評価などを要望として挙げている。
既存事業者も現在のプラチナバンドにおける経緯や
電波利用料のあり方について、それぞれ主張を展開
なお、同懇親会には既存事業者も資料を提出しており、それぞれの立場からの意見を展開している。具体的には、現行の800MHz/900MHz帯は長期に渡る大きな経済負担をともなう設備・端末の移行によって実現されたものである、周波数再編は移行処置に必要な期間・コストの見極めが必要、3GHz以下の周波数にアナログシステムが多数残っているため改善余地あり、全体の84%を携帯電話事業者が負担している電波利用料のあり方、などの主張が見られる。