統合バックアップ基盤にVeeamを採用した近鉄グループもゲスト出席
Veeam、Kasten買収によるKubernetes保護統合など事業戦略を説明
2020年10月30日 07時00分更新
Veeam Softwareは2020年10月28日、カンファレンスイベント「VeeamON TOUR JAPAN ONLINE」に合わせて、事業概況や戦略、最新の国内導入事例などを紹介する記者説明会を開催した。日本法人社長の古舘正清氏、APJ地域SVPのショーン・マクレガン氏のほか、近鉄グループ全体のデータバックアップ基盤統合にVeeam製品を採用した近鉄情報システムもゲスト登壇した。
Kubernetesバックアップベンダー、Kastenの買収と技術統合
マクレガン氏はまず、10月初旬に発表したKubernetes環境向けバックアップ製品ベンダー、Kasten(キャステン)の買収について触れた。両社はまず今年5月に協業を発表したが、それに対してコンテナやKubernetesを活用する顧客から非常に良い反応があったため、さらに歩を進めて買収とソリューション統合を行うことにしたと、マクレガン氏は説明する。
「Kastenは、コンテナ、Kubernetes領域(のデータ保護)における明白な市場リーダーだ。1億5000万ドルの買収により、リーダーである2社(VeeamとKasten)が協力して、全方位をカバーする強固なデータ保護基盤の構築に取り組めるようになる」(マクレガン氏)
現在ではAWS、Azure、GCPともKubernetesサービスを提供しており、そうした環境におけるデータ保護でも、VeeamとKastenの技術が統合されることのメリットは大きいとマクレガン氏は強調する。「シンプルで信頼性の高いデータ保護」を実現するというアプローチは両社共通のものであり、「顧客からは『Kastenは“Veeam for Kubernetes”だ』という言葉をいただいた。これはうまい表現だ」と語った。
「Kastenの買収によって、Veeamが掲げる『クラウド・データ・マネジメント』というビジョン、目指す方向性がよりはっきりしたと思う」(マクレガン氏)
なおVeeamによると、コンテナ環境を持つ顧客の多くはこれまで、コンテナデータの保護はストレージレベルでのバックアップにとどまっていたという。“コンテナネイティブ”なKastenの採用によって、コンテナ単位でのバックアップ管理が実現し、開発者自身でも理解、管理しやすい環境になると紹介している。
古舘氏は、日本市場においても金融、通信など業種によってはコンテナ活用の動きが進んでおり、Kastenに対しても「すでに複数社から問い合わせをいただいており、提案を始めている段階」だと説明。今後、企業にアジャイル開発が浸透していくのに合わせて、Kastenのビジネスも拡大していくとの見通しを示している。