一足先に5G対応の新モデル! グーグル「Pixel 5」「Pixel 4 5G」発表 第10回
Xperia 5 IIとPixel 5に共通するちょっと残念なポイント【中山 智】
2020年10月02日 12時00分更新
Googleが新しいハードウェアを発表するオンラインイベント「Launch Night In」で、スマートフォンの最新モデル「Pixel 5」と「Pixel 4a(5G)」を発表しました。すでに発表は予告されてはいましたが、どちらのモデルも筆者の想像とは違ったモデルとなっていました。
まずは「Pixel 4a(5G)」ですが、単純にPixel 4aの5G版がでるのだろうと思っていたところ、プロセッサーもディスプレーサイズもまったく違ったモデルとなっています。まぁPixel 4aのプロセッサーは「Snapdragon 730G」なので、そのままでは5G対応は無理ですから、プロセッサーの変更は当然なのですが、ディスプレーと筐体サイズまで変えてくるとは。どちらかというと「Pixel 4a XL(5G)」という印象です。
そして「Pixel 5」です。これまで「a」がつかないPixelシリーズはハイエンドということで、Snapdragonの800番台を搭載してきましたが、今回のPixel 5は「Snapdragon 765G」と700番台です。しかもPixel 4a(5G)も同じプロセッサーを搭載しています。
さらにカメラ性能もPixel 4a(5G)と同じとのこと。もちろんPixel 5には防水性能やワイヤレス充電、ディスプレーのリフレッシュレートが90Hzといった差分はありますが、最上位のプロセッサーを搭載していないことは、かなり驚きです。
ちなみに筆者はこの戦略が間違っているとかダメだとは思っていません。逆にアリ。というのも最近のスマートフォン、特にハイエンドモデルは高すぎると思っているからです。普通のユーザーは、スマートフォンの代金として出せる価格は6万円から7万円台じゃないでしょうか。ならば、その価格帯でユーザーに欲しいと思わせる性能や機能を持たせたモデルを開発するべきなんじゃないかなと。
極論を言えば、ハイエンドは作るというかコンセプトや設計を考えるのは簡単なんですよ。とにかくいちばんいい部品や素材、最先端の技術などを注ぎ込めばいいんですから。たとえばハイエンドのプロセッサーやら、大きなセンサーのカメラやら、曲がるディスプレーやら。
ただ決められた販売価格の中で、ユーザーが興味を持つ魅力のある製品となるようなコンセプトや設計にするのは、性能や機能の取捨選択も必要だし実に難しい。開発者の腕の見せ所といったところです。
ちなみに「スマートフォンにそんなに興味はないけど、必需品なので買わざるをえない」層は、3万円台から4万円台前半が代金として出せるゾーンだと思っていて、このゾーンも中国メーカーを中心にそれなりに魅力や個性のある端末がでているので、非常におもしろいゾーンでもあります。
実際のところ「Pixel 5」の実機を触ってもいないので、Pixel 5がどの程度の仕上がりなのかは解りませんが、この価格帯で勝負をしてくるということは、「今いちばんボリュームゾーンのあるユーザーが何を求めているか」をしっかりと考えて作ったスマートフォンなんじゃないかと思います。
Xperia 5 IIはPixel 5と同じように
Googleアシスタント起動ボタンを搭載しないでほしかった
ただひとつだけ気になるというか、気に入らない点があります。それはPixel 5もPixel 4a(5G)もGoogleアシスタントを起動させる物理ボタンと搭載していないことです。Pixel 4にもありませんでしたが、本体を握るとGoogleアシスタントが起動する「Active Edge」を搭載していました。これがPixel 5には搭載されていません。
自分はGoogleアシスタントの起動ボタンが好きではありません。誤操作のもとですし、物理ボタンは故障しやすいので。なのでPixel 5やPixel 4a(5G)にGoogleアシスタントの起動ボタンがないことは歓迎です。
ですが最近のスマートフォン、特に日本メーカーの最新モデルをみてみるとなぜか急にGoogleアシスタントの起動ボタンを搭載し始めています。筆者が関係者に取材したところどうやらGoogle側からGoogleアシスタント起動ボタンを搭載するようアプローチがあったような印象です。
なのでPixel 5を見て、なにより一番初めに思ったのが「自分たちが搭載しないものをほかに要求するな」ということ。ソニーモバイルの「Xperia 5 II」はせっかく電源ボタンと指紋認証ボタンを一緒にして、ボタンを減らしたのに、新たにGoogleアシスタント起動ボタンを搭載したため、結局右サイドがボタンだらけでジンバルなどのホルダーが挟みにくくなってます。
スマートフォンなどIT機器は、物理ボタンをひとつ外すだけで設計にも余裕ができるし、そのぶん別の機能などを載せられ可能性もあります。なので「Googleアシスタント起動ボタン」がGoogleの考えるスマートフォンに要るなら要る、要らないなら要らないで軸をぶらさずに開発していってほしいなと思います。
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