●「3キャリアが安くなるかもオーラ」が流動性を下げている
2018年夏に菅官房長官(当時)が「携帯電話料金が世界に比べて高すぎる。4割値下げできる余地がある」と発言したため、総務省はこの2年間、大ナタをふるい続けてきた。9500円程度していた解除料を1000円以下にして、2年縛りも見直させた。SIMロック解除も中古端末でもできるようにしたり、最近では3000円かかっていたMNPの手数料をオンラインなら無料にするといった改訂も行おうとしている。
この2年、総務省がいろいろな手を尽くしてきたが、3キャリアの解約率は低減。競争は起るどころか、ユーザーの流動性は止まり、市場は冷え切っている。
実際、2018年以降、3キャリアは新しい料金プランを投入。端末販売と通信契約を完全に分離した。完全分離が進めば、ユーザーが他社に移行しそうな気もするが、実際は全く動いていない。なぜ、流動性が止まったのか。
ある関係者は「とにかくユーザーが動こうとしない。みんな、他キャリアに乗り換えることに対して、『面倒臭い』『わからない』『今のままで、特に不満がない』と言って動こうとしない」という。
菅首相がキャリアに対して「値下げしろ」とアピールすればするほど、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクを契約している人からすれば「格安スマホに乗り換えなくても、このまま契約し続ければ、いずれ安くなるかな」という期待を持ってしまっている。菅首相が醸し出す「3キャリアが安くなるオーラ」が結果としてユーザーの流動性を落としているのだ。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第279回
トピックス
「ahamoだけ遅い」は誤解──ドコモ値上げに立ちはだかる通信品質問題 -
第278回
トピックス
銀行職員のBeReal騒動はなぜ起きた 問うべきはリテラシーではなくスマホ管理だ -
第277回
トピックス
ドコモ、ソフトバンクも始めた「Starlink Direct」 KDDIが打ち出す“中身”の違いとは -
第276回
トピックス
ソフトバンク、独自のAIスマホを発売へ グーグル相手に勝算はあるのか -
第275回
トピックス
日本のミリ波どうなる? カギを握るのはやはりiPhoneか -
第274回
トピックス
iPhoneが変えた日本 キャリアとメーカーを揺るがした20年 -
第273回
トピックス
ANAモバイル開始、その裏で存在感を放つIIJ JALとの違いも鮮明に -
第272回
トピックス
アップル、グーグルに引き離される可能性 Androidを変える「先回りAI」の衝撃 -
第271回
AI
「石川さんに3000円振り込んで」住信SBIネット銀、AIに頼むだけの新サービス開始へ -
第270回
トピックス
楽天モバイル、黒字化の裏で不満噴出 通信設備に“2兆円投資”必要か -
第269回
トピックス
通信費が0円に? 楽天がモバイルWi-Fiをバラまく本当の狙い - この連載の一覧へ











