ライトやカメラアングルを、ほんの少し変えるだけ
最近よく目にする、ビデオチャットを使ったテレビ番組やYouTube番組。筆者がとても残念に思うのは、ビデオチャット画面に登場する出演者の「あぁ、撮られ慣れてないなぁ……」という感じです。ライトやカメラアングルを、ほんの少し変えるだけでも、画面写りがスゴく良くなるのに……。
少し自慢げに聞こえるかもしれませんが、筆者は100以上のテレビ番組にも出演、インタビュー取材もたくさん受けてきました。そんな経験があるにもかかわらず、問題なのは、筆者がそれほどハンサムではないこと。これ、謙遜ではありません。共演するアイドルや俳優たちは、本当にフォトジェニック(カメラ写りも顔の作りも素敵)。毎回、筆者は打ちひしがれているわけです。
そんな苦い経験から「どんなふうにカメラに撮られたら、マシに映るのか?」のノウハウを涙とともに構築してきました……(涙)。今回は、そんなノウハウをビデオチャットやウェブセミナー向けに惜しみなく解説しようと思っています。
ビデオチャットで一番避けたい、ローアングルで顔が暗いパターン
残念なチャット画面になるケースでもっとも多いのは、ローアングルで顔が暗くなるパターンのときです。その原因は、ノートPCなどでビデオチャットに参加しているから。もちろん、ノートPCでもOKなのですが、問題はカメラの位置と角度です。
下から見上げられるようにカメラに撮られると、不満げで変な顔に写ります。たとえるなら「寝起き」のような感じでしょうか。
解決策は簡単で、ノートPCをテーブルに置き、さらにその下に本などを置いて、高さを上げることです。
レンズの高さは被写体の目の高さが基本
メディアの取材を受けると、たまにライターとカメラマンが同一人物の場合があります。これは経費節約もあるでしょうが、カメラの性能が向上して、誰でもキレイな写真を撮影できるようになったせいもあるのでしょう。ところが、そんな写真は自分のイメージとは違ったモノになりがちです。
ポートレート(人物写真)に慣れたプロのカメラマンの場合、被写体(写される人)の目の高さにレンズがくるように構える場合はほどんど。これは、鏡で自分を見るのと同じ角度ですから、当然、自分が知っている顔になります。
そんな理由から、ビデオチャットではPCやノートPCのカメラ部分の高さを自分の目と同じ高さにする。そうすると、ほぼベストなカメラアングルになります。ノートPCの場合、高さを上げると、キーボードは打ちにくくなるかもしれません。しかし、キー入力はノイズにもなる場合もあるので、ビデオチャット中はペンとメモで代用すると相手の好感度もアップするはず。
専用ライトがいらないワザ
次に解決するべきは顔の暗さです。普通なら専用ライトを勧めますが、今回はすぐできて、効果的な裏技を解説します。
それは、画面の輝度(明るさ)を上げることです。加えて、ディスクトップ上でテキストエディタなど、白い画面を開いておけば、さらに効果が上がります。もし、Mac OSでNight Shiftを使っているなら、ビデオチャット中はオフにしておくと、顔が黄色がかったり、青白くなったりするのを防げます。
PCに使われる液晶のバックライトは、ライトとしては優秀で高価な「面光源」です。それを活用すれば、高価なライトを買う必要もありません。
ただし、ライトは「明るくすれば良い」というわけではなく、明るすぎず、暗すぎず、がポイントです。目安としては、白い部分が飛ばない程度の光量にするといいでしょう。シャツの白い部分を参考にしたり、コピー用紙などを画面に映して明るさを調整するのも良い方法です。
PC画面を明るくしすぎると、肝試しのときにライトを顔の下から当てたような「幽霊顔」になるので注意してください。
蛍光灯色のシーリングライトはビデオチャットにはNG
一般家庭や仕事場でありがちな、天井からの蛍光色のライトは、ビデオチャットにはNGです。というのも、一般的なLED電球や蛍光灯は人間の目に白く見せるため、自然光とは違うスペクトル(色分布)が混じっています。そのせいで、カメラで撮影すると、肌が緑っぽく映る場合があり、不健康に見えることがよくあります。天井からのライトは、額や鼻先をテカらせて、相手に疲れた印象をあたえることもあります。
「高演色」や「3波長形」とよばれる撮影用の少し高価なタイプもあります。もし、ビデオチャットをよく活用するなら、部屋のライトをその電球に取り替えるのもいいかもしれません。
いかがでしたでしょうか。次回はマイク編を含め、少し予算をかけたビデオチャット向上編をお送りしようと思っています。
前田知洋(まえだ ともひろ)
東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。
著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。
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