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AI-OCR、販売管理、営業支援、タスク管理、ワークフロー、チャットボットの連携例

魅惑の連携が一堂に会した「LINE WORKS 春のソリューション祭り」

2020年06月24日 11時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2020年4月14日~16日の3日間、ワークスモバイルジャパンはLINE WORKSと連携ソリューションを紹介するオンラインセミナー「春のソリューション祭り」を開催した。ここではAI-OCR、販売管理、営業支援、タスク管理、ワークフロー、チャットボットなどLINE WORKと連携するサービスの概要と連携事例を紹介していく。

LINE WORKSを仕事の入り口に 連携ソリューションの価値とは?

 3日間に渡るオンラインセミナーの冒頭をかざったのは、ワークスモバイルジャパン シニアソリューションスペシャリストの荒井 琢氏。荒井氏は、「LINE WORKSを仕事の入り口に!-社内システムとLINE WORKSをつなぐ-」と題したセッションでLINE WORKSの概要と連携ソリューションについて説明した。

 LINE WORKSは統合ビジネスコミュニケーションサービスとして、トーク・無料通話・ビデオ通話のほかにも、ホーム(掲示板)、アンケート、組織階層型のアドレス帳、各種グループウェア機能などさまざまな機能を持つ。最大の特徴はLINEと親和性で、国内の月間アクティブユーザー8100万人を誇るLINEの使い勝手を踏襲したトークを使えるほか、LINEとの相互接続が可能な唯一のビジネスチャットでもある。こうしたLINEとの親和性に加え、企業でも安心の管理機能とセキュリティを備えるのがLINE WORKSと言える。

 キャリアメールやSNSに比べても、LINEはもはや1日で一番使うアプリと言っても過言ではない。「LINEのビジネス版がLINE WORKSであるなら、一番仕事で使うLINE WORKSからさまざまな仕事が完結したら、業務はもっとスマートになる」(荒井氏)。これがLINE WORKSと連携ソリューションの存在意義だ。

LINE WORKS連携ソリューションとは?

 具体的にはLINE WORKSをフロントエンドアプリとして、APIによって安否確認や営業支援・顧客管理、来客受付、出退勤管理、電話帳、チャットなどのサービスと連携する。連携ソリューションはますます増えており、AI系やシナリオ系のチャットボットやユーザー管理サービス、シングルサインオン、モバイルデバイス管理(MDM)などとも連携する。

 これにより、複数アプリを起動したり、切り替えたりすることなく、それぞれのアプリの使い勝手に慣れる必要もなくなる。LINE WORKSの使い慣れたユーザーインターフェイスから、さまざまなシステムの通知を受け取ったり、業務システムの情報の参照や登録までが可能になるという。また、こうした連携ソリューションを実現するAPIを学ぶため、有志のLINE WORKSの技術者コミュニティ「LWTT(LINE WORKS Tech Talk)」も発足しており勉強会も逐次開催するいるという。

写真を送るだけで文字起こしできる「文字起こしばりぐっどくん」

 AI-OCR「文字起こしばりぐっどくん」とLINE WORKSの連携を紹介したのは西海クリエイティブカンパニー。同社は長崎県にある西海市で活動するベンチャーで、登壇した宮里賢史氏も西海市の仕事も手がけているという。

 文字起こしばりぐっどくんは行政職員の事務負担を減らすべく開発された。事務仕事の中でも、特に書類作成に圧倒的に時間がかかっており、画像にあるテキストを手打ちで入力していたり、部署によっては専門の人すらいた。「もう私たちは付加価値の低い作業をしている暇はない!」(宮里氏)ということで、LINEアカウントに写真を送るだけで文字起こしが完了する「文字起こしばりぐっどくん」を開発したという経緯だ。

 2019年7月にサービスは開始され、4月13日現在では全国で11万6000人ユーザーが使っており、1日あたりの2200~4000枚の画像を処理しているとのこと。そして、1月にはLINE WORKS版がリリースされ、すでにさまざまなユーザーで利用されている。実際のデモも披露されたが、新聞は約3秒程度で文字起こしが完了。日本語だけではなく、英語にも対応する。

写真を送るだけで文字起こしが戻ってくる「文字起こしばりぐっどくん」

 AI-OCRは文字起こしというシンプルな作業の自動化なので、特定の業種に依存していないという。たとえば製造現場では、導入した機材の・機械のマニュアルデータを作る際に、データ化で使っている。また、医療業界の事例では事務職員が使っており、過去のカルテや薬の成分や予約表などの文字起こしに利用されている。また、教育業界では引用文献の文字起こしやレポート作成などにも使われているとのことだ。

営業と事務の業務時間を削減する「商蔵奉行クラウド」

 業務パッケージで高い実績を誇るオービックビジネスコンサルタントは販売管理、仕入・在庫管理システムである「商蔵奉行クラウド」およびAIチャットボットの連携について説明した。

 商蔵奉行クラウドで実現するのは、営業や事務担当者の生産性の向上だ。営業担当者は人材不足の中、販売強化による売上増加が課題となり、事務担当者は少ない人数で業務を推進しつつ、残業抑制や時短に努めなければならない。しかし、一般的に営業職は販売管理システムを社外で使うことができないため、販売や受注の情報は会社に戻って調べたり、事務担当者に問い合わせすることが多い。当然、営業側は待ち時間が発生するし、事務担当者にとっては割り込み業務となる。さらに今のように在宅勤務やテレワークが推奨されると、社外で利用できないシステムはさらに生産性を下げてしまう。

仕事に無駄な待ち時間が発生している

 これに対して、商蔵奉行クラウドを使えば、営業担当者は外出先からでも販売情報を調べられるため、会社に戻ったり、事務担当者に問い合わせたりしなくても、仕事が進められる。一方の事務担当者は外からの割り込み業務の問合せがなくなるため、通常業務に集中できる。もちろん、経営者にとっては、いつでもどこでも売り上げ分析できるので、迅速な経営判断が可能になる。

 さらに商蔵奉行クラウドでは日本電通グループが提供する「AI業務アシスタント」というチャットボット機能を連携させることによって、チャットツールから商蔵奉行クラウドの商品や在庫の情報をすぐに入手できるという。営業担当者はLINE WORKSアプリに問いかければ、得意先の情報をいち早く入手したり、直近の注文の納期や在庫などを調べたり、営業現場で受けた口頭注文を直接受注処理することもでき、商蔵奉行クラウドの受注エントリーを自動化してしまうことも可能だ。もちろん、自宅や外出先で販売管理情報を活用できれば、テレワークでの仕事のスピードを向上することも可能になるという。

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