このページの本文へ

仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 第98回

進化するMicrosoft Teams――2020年4月に追加された新機能を紹介

2020年05月15日 11時00分更新

文● 阿久津良和 編集●MOVIEW 清水

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。

 Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回はMicrosoft Teamsの新機能に注目する。

Web会議などで有用なMicrosoft Teamsの新機能

 Microsoftが米国時間2020年4月29日に発表した第3四半期決算発表によれば、Microsoft TeamsのDAU(1日あたりのアクティブユーザー)数は7500万人に増加。3月中旬発表の4400万人と比べると、1ヵ月強で3100万人も増えたことになる。対するZoomも同4月22日に[公式ブログ]で「3億のミーティング参加者」がいるとアピールしている。ただ、DAU数は公表していない。

 これまで多くの方が未体験だったWeb会議ソリューションだが、新型コロナウイルスの影響で初めて体験したという方も少なくないだろう。Microsoft TeamsやZoomに限らずGoogle MeetやAmazon Chimeなど、各社がWeb会議ソリューションに注力するのも当然だ。今回はMicrosoftが同4月29日に[公式ブログ]で発表したMicrosoft Teamsの新機能をかいつまんで紹介する。なお、以下に示した画像はすべて公式ブログからの抜粋であることを、あらかじめお断りしておきたい。

同時表示する映像数が3×3=9人へ
 これまでのMicrosoft Teamsは参加者の映像を2×2=4人に限定していた(Web会議への参加可能数は250人、映像/音声参加者数は20人まで)。Microsoftの説明によればWebカメラの映像を映し出した参加者を優先し、音声のみの参加者はネットワーク帯域幅に基づいた最適化を行うことで、3×3=9人の同時表示を可能にした。本機能はロールアウト(提供)を開始しており、すべてのユーザーが享受するには最大数週間を要する。

画像を確認すると右下には自身のWebカメラ映像に加えて、音声参加者と思われるユーザーアイコンが並んでいる

挙手機能を搭載
 一方的な発信が中心となるオンライン発表会ではなく、複数名が参加するWeb会議の場合、発言者を指名するようなファシリテーターが欠かせないのは読者諸氏の方が実感しているだろう。このような背景から、Microsoft Teamsに挙手機能が加わった。本機能は2020年5月第2週のロールアウトを予定している。

挙手をどのように行うか不明だが、挙手したユーザー名の先頭に状態を示すアイコンが加わっている

会議参加前から背景の効果が適用可能
 Microsoft Teamsの背景をぼかし、任意の画像を指定する機能は有用ながらも、現時点ではWeb会議参加後でなければ適用できない。そもそも散らかった部屋を相手に見せたくないなどの理由で機能を使うことを踏まえれば、Web会議参加前から適用可能にすべきだった。本機能は5月中旬のロールアウトを予定しているが、合わせて画像ファイルのアップロード機能を追加するという。これで特定のフォルダーに画像ファイルを置く必要はなくなった。

Web会議参加前に背景効果を有効にするボタンが加わり、ぼかし効果や任意の画像を背景として指定できる

字幕機能を追加
 背景のぼかし効果はiOS版Microsoft Teamsにも提供を開始しているが、利用環境を問わないスマートフォンでは、相手の音声が聞き取りにくい場面がある。そこでiOSおよびAndroid版Microsoft Teamsに自動字幕起こし機能が加わる予定だ。Power Pointも同種の機能を供えているが、対応言語は英語のみ。日本語を含めた多言語対応に期待したい。

2020年7月までMicrosoft 365ライブイベントの制限を緩和
 Microsoft TeamsやMicrosoft Stream、Yammerを組み合わせたMicrosoft 365ライブイベントという機能が存在する。主に組織内のライブディスカッションやイベント配信、公開授業などに用いられるが、ソリューションの主体はMicrosoft Teamsが担う。そのため、Teamsライブイベントの参加者数1万人、配信は4時間、同時開催数15という制限に縛られる。これに対してMicrosoftは「利用者の需要に応える」との理由から参加者数2万人、配信を16時間、同時開催数50まで制限を緩和。2020年7月までの期間限定だが、Microsoft 365ライブイベントを利用してきた企業ユーザーにとっては朗報だろう。この他にも遠隔授業を想定し、Web会議開催者のみが会議を終了できる機能や、1対1の通話を録音する機能も加わっている。

IT管理者向け機能も拡充
 Microsoft Teams管理センターにも、いくつかの新機能が加わる。 Microsoftの説明によれば、使用状況やユーザーフィードバック、ネットワークの正常性、会議の詳細、デバイスなどの情報を羅列したミーティングダッシュボードを追加する予定だ。Power BIベースのドリルダウンで、現在のダッシュボード以上に情報管理やトラブル対応を容易にする。また、ローカルメディアの最適化による音声品質の向上や、Teamsアプリの使用状況を把握する機能、会議ポリシーを変更していないテナントを対象に、匿名ユーザーが会議を開始できる設定を既定でオフに変更した。

日本語での名称がどのようになるか現時点で分からないが、「Meetings Dashboard」はMicrosoft Teamsの正確な利用状況を把握できる

■関連サイト

カテゴリートップへ

この連載の記事
ピックアップ