冷やしギガバイト、はじめました。
冷蔵庫でPCを冷却できるかやってみた
油没冷却に代わる新しいPCの冷却方法を考えていた編集部では、「PCを冷やしたいなら、冷たいところにPCを置けばいいじゃない!」という単純な発想から、冷蔵庫にPCをぶち込むことを思いついた。
そこで、Mini-ITXマザーを冷蔵庫で冷やしてみることにした。油没冷却のノウハウはあるものの、冷蔵庫に直接マザーボードを設置した場合の温度変化の情報がなく、いい機会だから試したくなったわけだ。
※編注:この実験は、専門的な知識のあるおじさんが安全に配慮して実行しています。記事の内容を真似して機器の故障あるいは事故があったとしても、編集部とGIGABYTEは一切の責任を負いません。なお、冷蔵庫は熱を発するものを冷やす設計にはなっておりません。このような誤った使用は、冷蔵庫やPCにダメージを与える可能性が高いため、まったく推奨いたしません。つまり、良い子は真似しちゃダメだぞ、ということです。
過酷な環境に置かれるPCは
マザーボードの耐久性が問われる
冷蔵庫にPCを入れる場合、急激な温度変化と結露が問題となる。PCパーツの中で一番気を使わないといけないのがマザーボードだ。ショートを起こすかもしれない電源ユニット選びも重要なのだが、今回の検証では安全のため電源ユニットは冷蔵庫に入れないでテストするので、電源を除くとやはりマザーボードの頑丈さがこの検証の要となる。
マザーボードのなかには、水冷ユニットの水漏れから基板を守る防滴仕様のものもあるが、冷蔵庫という過酷な環境では、急激な温度変化や氷点下での運用に耐えられるものでなければならない。
頑丈なマザーというと、耐久性と防塵性に特化したASUSのTUFシリーズや、耐熱性・対振動性などに定評があるMSIのMilitary Classがあるが、今回はGIGABYTEのUltra Durableテクノロジーに目をつけた。Ultra Durableには防湿、防静電、防電断、防熱という4種類もの品質基準が設けられているからだ。
そこでGIGABYTEに協力を仰いだところ、頑丈なMini-ITXマザー「X570 I AORUS PRO WIFI」をお借りできた。なお、同マザーはUltra Durableシリーズに属する製品ではないが、Ultra Durableの品質基準はしっかりとクリアーしているので耐久性は問題ないはずだ。
高効率放熱設計かつ無線LAN標準装備の
希少なゲーミングMini-ITXマザーボード
まずは使用するマザーX570 I AORUS PRO WIFIを見ていこう。Mini-ITXマザーながらX570チップセットを搭載する。なるべくコンパクトかつ、ついうっかり最上位のRyzen 9 3950Xを搭載したいなどと考えた場合の有力な選択肢だ。
サーバーグレード設計で8フェーズと、定格には耐える仕様になっている。また真っ先に目に飛び込んでくる巨大なリアI/OカバーはVRMクーラーも兼ねており、アルミ製だ。
チップセット周辺はMini-ITXでよくある特殊な構造になっている。まずチップセットクーラーがあり、PCIe 4.0対応M.2スロット、その下にチップセットの順だ。一見、チップセットの熱の影響が気になる構造だが、物理的に分けられているほか、直上のファンによる冷却もある。
さらなるM.2 SSDの冷却を望むなら、SSDにヒートシンクを装着させておくとより効果的なのだが、あまり背の高いヒートシンクだと干渉してしまうので、アイネックス「まず貼る一番 ハイブリッド HT-02A」あたりが無難だ。