このページの本文へ

松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第86回

メリハリのあるリズミカルなタイピングができる:

アップル新型MacBook Air 極上キーボードが帰ってきた!

2020年03月20日 21時30分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

●若干厚く、重くして搭載したのはMagic Keyboard

 MacBook Airは最も薄く軽いMacとして登場し、そのキャラクターを維持しています。しかし今回のアップデートでボディは少し厚く、重くなりました。

 2019年までのMacBook Airは30.41×21.24×1.56cmで1.25kgというサイズでしたが、2020年モデルは厚みが1.61cmに、重さが1.29kgに変更されました。ほとんどのケースやスリーブでは問題ないと思われますが、すっぽりと覆うタイプのカバーを使っていた場合、サイズが合わなくなってしまう可能性があります。

 今回、最厚部は0.5mm厚くなりました。この差と一致する変更は、バタフライキーボードから変更されたMagic Keyboardです。

 2018年モデルのMacBook Airには、当時のMacBookシリーズと共通で、バタフライキーボードが搭載されていました。ストローク、つまりキーを押し下げる高さは0.55mmで、本体の薄型化に寄与していました。しかしこの薄さゆえに、埃などが入った際に不具合が発生しやすく、それまでのMacBook Airユーザーにとっては、打鍵感も悪くなった、という印象を与えていました。

 そこでアップルは2019年10月に発表したMacBook Pro 16インチからキーボードをシザー構造を変更し、Magic Keyboardという名称を与えました。これは、アップルのデスクトップモデル向けのキーボードと同じ名前で、安定した打鍵感をモバイルにも持ち込むことになりました。

 Magic Keyboardは、上から安定性の高いキーキャップ、アップル独自開発のラバードーム、そしてはさみのように上下運動を支えるシザー構造で、キーストローク1mmを確保します。音は静かで、それでいて指先にキーを押した感覚がしっかりと残る、そんな仕上がりになっています。

 バタフライキーは打つと言うよりなぞる感覚がちょうど良いというほどストロークがなかったのですが、Magic Keyboardは普通のキーボードのように打つという感覚が得られ、特にRetinaディスプレー搭載前のMacBook Airを使っていた人にとっては、違和感なく、より快適なタイピング環境が得られるでしょう。

 個人的には、バタフライキーボードも「なぞる」感覚を心得てからは嫌いではなくなりましたが、やはり打鍵感のあるMagic Keyboardはメリハリあるリズミカルなタイピングで、よいモノですね。

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII.jp RSS2.0 配信中