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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第554回

2020年末に第3世代EPYC、2022年までに第4世代EPYCを発売 AMD CPUロードマップ

2020年03月16日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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GPUはゲーミング向けのRDNAと
HPC向けのCDNAに分岐

 さて、一番話が盛りだくさんだったのがGPUに関してだ。まず今後の展開として、ゲーミング向けのRDNAと、HPC向けのCDNAの2つに分岐することが明確に発表された。

RDNAとCDNAの位置付け。この話、ASCII.jpでは書いていなかったが、RDNAはそもそも技術計算に向いた構造ではないので、Radeon Instinct向けには引き続きGCNベースの製品が投入されると筆者は予想しており、これが当たった格好だ

 そもそもRDNAはゲーミングに特化した分、例えばOpenCLの性能はGCNより劣るとか、そもそも倍精度の浮動小数点演算をハードウェアでサポートしていないとか、Radeon向けには良くてもRadeon Instinct向けには明らかに向いてないアーキテクチャーであり、それもあってGCNが引き続きRadeon Instinctには採用されると考えていたが、このGCNをCDNAとしてブランドの再定義をした格好だ。

 そのRDNAであるが、先のGPUロードマップとよく似たロードマップが下のスライドだ。

RDNA3に関しては引き続き詳細は未公開

 ついにハードウェア・レイトレーシングが入ることになった。まず性能面で言えば、RDNA2ではさらに性能/消費電力比が改善されるとした。

Zen→Zen2と並べてあるが、こちらはプロセスノードが14LPE/12LP→N7であり、一方RDNA2はN7→(おそらく)N7+ということを考えると、プロセスの違いはそこまで性能/消費電力比改善には寄与しないと思われる。ということは内部構造の見直しで性能を引き上げる、という意味である

 ちなみにどれだけ引き上げられるかというと、RDNA(つまり現在のNAVI 10世代)と比較して50%の引き上げを実現するとしている。

RDNAとRDNA2の性能/消費電力比。ちなみに比較基準はTom Clancy's Division 2を2560×1440fps、ウルトラ設定で行なった場合のフレームレートだそうだ

 またRDNA2ではついにレイトレーシングのアクセラレーション機能が搭載されることになった。

DXR 1.1とRDNA2のシリコンでの映像が示されているあたり、既存のレイトレーシング対応アプリケーションも基本的には動きそうに思われるが、まだ判断するには時期尚早かもしれない

 こちらは詳細はまだ明らかにされていないが、“Common Architecture for PCs and Consoles”ということで、PS5向けのレイトレーシングと同じ仕組みが搭載されるとしている。

 さて、一方のCDNAの方である。現在はGCNベースのVegaをベースにしたものがRadeon Instinctに採用されているわけだが、今後はまずML/HPCの性能を強化したものが初代CDNAとして7nm世代で投入され、次いで第2世代のCDNA2が2022年までに投入されることになる。

初代CDNAの投入は、ぎりぎり2020年中か、2021年に入ってからかもしれない

 このCDNAを、ROCmやHIPでサポートすることも明らかにされた。ちなみにHIPそのものは現在オープンソースとして提供されているが、現時点のものはCUDAをRadeon上で動かす(もっと正確に言えば、CUDAを移植可能なC++に変換し、これをAMDないしNVIDIAのGPU上で動かす)ものであるが、今後はプラットフォーム非依存にすることで任意のGPU上で動かせるようになる、という。

スケーラビリティーもそうだが、現状ROCmはインフィニティー・ファブリックでの接続をサポートしていない(CPUからはPCIe経由での接続のみとなる)。このあたりも今後は改定されていくと思われる

 ROCm自身も機能強化が進んでおり、今年投入予定のROCm 4.0ではほぼすべてのコンポーネントがそろう予定だ。これにより、Radeon Instinctを利用してのアプリケーションの普及に拍車がかかることを期待していると思われる。

OpenMPが今まで部分対応だったのはびっくりした

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