FRの恩恵か?
最小回転半径は35cm短いアルファードと同じ5.6m!
グランエースは国内によくあるミニバンの駆動方式であるFFと違い、リアタイヤを駆動するFRとなっています。FRではキャビンの床が高くなってしまうというデメリットはあるものの、実は数多くのメリットが存在します。
FR車は基本的にFF車に比べてエンジンを搭載する向きが90度違うので、エンジンを載せた時の横幅が狭くなり、その分前輪の切れ角を増やすことができます。そのためグランエースは5.3mの全長にもかかわらず最小半径は5.6m! 35cmも短いアルファードとまったく同じ最小回転半径を実現しています。
また、グランエースはプロペラシャフトを床下に突起させないためにキャビンの床を上げており、無理に車高を下げるような設計をしていないため、キャビンの床を低くしたFFのミニバンに比べてサスペンションストロークも長くしているので前述の乗り心地にも寄与しています。
グランエースは国内版のハイエースと違って、前輪はドライバーより前にあるのでハンドルの位置も普通の乗用車の様な角度で備わります。この自然な角度と小さな最小回転半径のおかげで、大きな見た目を裏切る運転のしやすさを実現しています。
この運転しやすさのおかげで2mにならんとする全幅でも、よほど狭い道に入らない限り取り回しが厳しいと感じる場面は少ないといえるでしょう。実際に都心や高速道路を試乗した印象でも、センターラインのある片側1車線の道より広ければ、全幅に影響されるような苦労は感じません。
しかし、5.3mの全長は高速道路などの車線変更で注意を必要とします。サイドミラーは大きく見やすいのですが、この全長に慣れていないため車線変更のタイミングがつかみにくいこともしばしば。この辺りはメーカーもわかっているようでリアのコーナーセンサーの反応をサイドミラーに映す警告灯を設けています。この警告灯が点灯すると車線変更は危険だ、ということになるのです。
トヨタ最新のインフォテーメントで
コネクティブを実感
今や必須と言える、スマートフォンをフル活用するインフォテーメントと言えるディスプレイオーディオ。
トヨタでは昨年発表のカローラから新型車には標準装備とされているディスプレイオーディオですが、グランエースではビルトインタイプのものが採用されています。ディスプレイオーディオ単体でもスマートフォンに対応しますが、オプションのTVユニットを装着することでApple CarPlayとAndroid Autoに対応します。
意外と知られていないのがApple CarPlayでもGoogleマップが使えることです。最新のiPhone 11 Proならば問題なく使えるというのが通説ですが、実はiPhone 7などでもiOSを最新のもの(iOS 13)にバージョンアップすればGoogleマップがディスプレイオーディオでも使えるのです。音楽機能重視でiTuneを使いたいがためにiPhoneを使っている方も多いでしょう。しかし、マップ機能はGoogleマップに一日の長があり、どうしてもGoogleマップが使いたいという方も多いのが現状。ちょっと古めのiPhoneユーザーの方はiOSをバージョンアップすればGoogleマップが使えるようになりますのでご安心を。
Androidスマホの場合はPlayストアからAndroid Autoをダウンロードしておく必要があります。しかしダウンロードさえしておけばデフォルト設定のままで簡単にGoogleマップが使えます。
ディスプレイオーディオとスマートフォンとの接続はUSBケーブルで行ないます。これはマップ使用中に電池切れで現在位置をロストしないようにするためです。
スマホ連携もさることながら、グランエースのオーディオそのものもかなり充実しています。すべての席で音像の偏りがないように、なんと12個のスピーカーを装着しています。音質自体は低音が若干弱いようですが、それはディスプレイオーディオで調整できます。ちなみに、写真で表示されている画面は霧島さんが2018年に所属していたレースクイーンユニット「D'Station Fresh Angels 2018」のCDから「Secret!」を演奏している様子です。
取材を終えて霧島さんは「サーキットへの移動はミニバンや10人乗りハイエースなどが多く、こういったカタチのクルマはレースクイーンにとってすごく身近です。移動車がグランエースになってくれたら本当に最高ですよね」と語ります。
このグランエースは東京都内ではトヨタモビリティ東京での販売となります。お近くの試乗車の配車状況は「ご試乗ガイド」のサイトで確認できます。試乗の際はこのサイトで予約をしてからディーラーにお出かけになることをオススメします。
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