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松本典子の「Azure Logic Apps」超入門 ~AI編~ 第8回

マイクロソフト製以外のアプリ操作はどこまで自動化できるのか? 試してみました

Power AutomateのRPA「UIフロー」でPhotoshopの操作を自動化してみよう

2020年02月06日 08時00分更新

文● 松本典子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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1. 今回作成するワークフロー

 今回は、次のようなワークフローを作成することにしました。このうち、Photoshopを自動操作するステップでUIフロー(デスクトップアプリ)を使用します。

  1. Dropboxの特定フォルダにJPEG画像を保存(トリガー)
  2. UIフローでPhotoshopを起動し、PhotoshopでDropbox上の画像を加工/保存
  3. Twitterで画像処理後の写真とテキストをツイート

今回作成したワークフロー。Photoshopの自動操作部分でUIフローを使います

2. UIフローを利用する際のポイント

 実際の作業手順を説明する前に、UIフロー(デスクトップアプリ)を使ううえで知っておくと活用の幅が広がる、いくつかのポイントをご紹介しておきます。

2-1. アプリの起動:「Windowsショートカットキー」を利用する

WindowsのショートカットキーでPhotoshopが起動するように設定

 UIフローでアプリ操作を記録する際、「アプリの起動操作」から記録したい場合があると思います。ただし現時点のUIフローは、ダブルクリック、マウスポイント、タッチ/ペン入力といった操作の記録に対応していません。つまり「Photoshopのアイコンをマウスポイントし、ダブルクリックして起動する」操作は記録できないのです。

 この問題は、Windowsの「ショートカットキー」をアプリの起動に割り当てれば解決できます。今回はPhotoshopの起動にWindowsショートカットキーを設定することで、UIフローからPhotoshopを起動させることができました。

2-2. Photoshopの自動処理:「アクション」機能を利用する

Photoshopの「アクション」機能

 Photoshopはもともと、大量の画像に対して繰り返し同じ処理を実行するために「アクション」という自動化機能を備えています。UIフローで複雑なアプリ操作を記録するのは難しいですから、アプリ側にこうした自動化機能がある場合は、アプリ側の機能を組み合わせて使うのがよいと思います。

 今回は、自動化したい4つの操作(画像を開く、白黒に変換する、ロゴの透かしを追加する、画像を保存する)をまとめて、1つのアクションを作成しました。

 さらに、このアクションにもショートカットキーを設定しました。こうすることで、先ほど紹介したWindowsショートカットキーと同じように、アクションの実行操作をキー操作としてUIフローに記録することができました。

 なお、Photoshopアクションの詳しい設定方法に関しては、次の公式サイトを参考にしてください。

2-3. UIフロー:「アクションの後に待機」の設定を変更

 UIフローに操作を記録した後、ワークフローに組み込んで実行するとエラーになる場合があります。このような場合に、Power AutomateのUIフロー>編集で「詳細オプションを表示」をクリックし、「アクションの後に待機」の数字を変更することで、この問題が解決することがあります。

「アクション後に待機」の数字を変更

 この数字(画面で「PT20S」となっている部分)は、UIフローでアプリ操作を記録する際、自動的に設定されます。ただし筆者が試したところ、Photoshopのように起動に少し時間がかかるアプリでは、この設定のままでは実行時に失敗することがありました。「PT30S」など、数字を少し大きめに(待機時間を長めに)設定し直すとよいでしょう。

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